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あきれるほど待つ
障害のある人の「本人主体」「意思決定支援」
予約商品
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ジャンル 社会・福祉
判型 四六判・128ページ
発行 2025年8月
定価 1,540円(税込)
ISBN978-4-86342-395-4 C0036
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判断に迷い、ときにいらだち、幸せをわかちあいながら
本人が決めるまで
2025年10月から始まる就労選択支援事業。障害者権利条約でも強調されている「本人主体」「意思決定支援」が具体的な施策の一つとして形になった側面がある。しかし、障害のある人たちが、どうしたいと思っているのかを知るのはむずかしい。重い障害がある子どものくり返す行動は何を示すのか、青年たちのはてしない話し合いに口を挟まずにいられるか。
高等部希望者全員入学、卒業後の学びの場づくりといううねりの中で、障害者の学ぶ権利や発達の視点を大切にしてきた教員生活。そして、障害のある人が学ぶ意義にせまる福祉事業型「専攻科」と神戸大学「学ぶ楽しみプログラム(KUPI)」、発達支援連携室(兵庫)の取り組みからみえるのは、本人が決めるまで「待つ」ことの重要性。家族と事業所や教育、行政といった多機関・多職種が、立場や制度の壁をこえて連携しながら、本人主体を支える未来をともに考えよう。
*予約商品です。7月初旬から発送いたします。
CONTENTS
第1章 障害のある青年の学び 1 KUPIでの学び 4年間学んだ学生の卒論から 2 KUPIでの学びの魅力 ⑴それぞれの個性を認め合うとは? ⑵動物の骨格標本を目の前にして、草食動物の歯とあごは? ⑶赤ちゃんの発達年齢がわかる? ⑷138億年も前のことを学んで何の役に立つの? ⑸大学で学ぶ意義 KUPIでの取り組みを通して 3 エコールKOBEでの学び ⑴まずは自分で決めることから…「ぼくはサマーキャンプでは一人部屋がいい」 ⑵自分を出してもいい…安心できる居場所 ⑶「主体的に学ぶ」とは…自分の心をまとめる研究ゼミ ⑷「あきれるほど待つ」の意味…野外活動の行き先「またゲームセンターか」 ⑸青年期教育の延長線上に…福祉事業型「専攻科」実践の魅力 4 そして、生涯学習へとうねりは続く 第2章 子ども、青年から学んだこと 1 二人の卒業生の生きてきた証 ⑴放浪のヒサトシくん…「先生、病院から出して、助けて」と電話 ⑵こだわりのタケシくん…強迫的ともいえるこだわり ●二人の生きた証を伝えたい 2 発達の視点で障害の重い子どもを理解する ⑴やっちゃんのこだわり…水道の蛇口、電車……とことんつきあう ⑵かまってほしいかなちゃん…物を投げる、服を脱ごうとする ●発達の視点で見ることの大切さ 3 青年の自立をサポートする ⑴就職と一人暮らしをスタートした房子さん…持ち味を生かしたチーム支援 ⑵障害の受容ができたタカシさん…人にサポートしてもらってもいいんだ ●障害受容とまわりのサポート 第3章 意思決定支援とは? 連携した取り組みと実践を通して考える 1 「意思決定支援」とは、どういうこと? 2 「私たちのことを私たち抜きに決めないで」…障害者権利条約と発達保障が背景に 3 問われてきた「本人主体」 ⑴学ぶ権利を実現する運動でも ⑵「子どもを産みたいという意思決定」が奪われた優生保護法裁判 ⑶教育実践も障害者支援も「主体性を大切に」…青年の自己決定、自己選択 4 連携(つながり)がキーワード ⑴障害児にゆたかな放課後を…ゆるやかな放課後ネットワーク ⑵困り感のある学生を支援する「障害学生支援」 ⑶「働きたい」という願いをかなえる就労支援、就労選択支援
PROFILE
かんなんまさる/1975年より37年間、兵庫県で教師として障害児教育にたずさわり、学年主任、学部長、総務部長、進路指導部長を経験。
福祉事業型「専攻科」エコールKOBE学園長、芦屋大学特任准教授、神戸大学KUPIコーディネーターを歴任。
現在、社会福祉法人いたみ杉の子発達支援連携室勤務。
全障研兵庫支部事務局長、支部長、兵庫支部顧問を歴任。兵庫障害者センター理事長。
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