こどもの心・おとなの眼
 ―人間・障害・思想


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こどもの心・おとなの眼―人間・障害・思想

高谷 清 著
定価 1785円(本体価格 1700円)
ISBN978-4-902244-97-7 C0036

●障害があることで本当の心が表現されやすく、どう考えるかも見えやすい。
 それは障害がある人の問題ではなく、人間だれしもの心と考え方の問題である。

●もくじ  

  はじめに

第1章 こどもの心・おとなの眼

1「完全」と「欠損」
2「正常」と「異常」
3「ふつう」と「かたより」
4「破壊」と「創造」
5「さわる」と「ふれる」
6「青い痣」と「赤い血」―障害は「個性」でなく、
  個性の形成に参加する
7「あなた」と「わたし」―愛のものがたり
8「平等」と「不平等」
9「随意」と「不随意」
10「発達」と「退行」
11「自立」と「依存」
12「向上的存在」と「絶対的存在」
13「そのまま」と「ありのまま」
14「タテへの発達」と「ヨコへの拡がり」
15「少年」と「少女」―「抱きしめてBIWAKO」
  二〇年
16「協力」と「分配」

第2章 ひとのこころ・人間の眼

1「自力」と「他力」
2「無意識」と「自意識」
3「自己」と「他者」
4「瞬間」と「無限」
5「病気」と「障害」
6「いのち」と「いのち」
7「仮面」と「素顔」
8「自分さがし」と「自分の確立」(1) 
9「外」と「内」―「自分さがし」と
 「自分の確立」(2)
10「普遍性」と「個別性」―「自分さがし」と
 「自分の確立」(3)

第3章 障害・存在

1「混乱の世界」と「自己疎外」―アスペルガー
 症候群の人から見る世界
2「発達」と「退行」―「退行」をどう生きるか
3「快」と「不快」―重い心身の障害のある人が
 感じる世界

第4章 人間・思想

「自己実現」と「他者実現」―人間の世界

  あとがき

はじめに

 本書は、「人間の心」を描き、「人間の考え」を書いたものです。その内容は障害がある子やおとなに関係していることが多いですが、それはわたしが障害のある子の診察をしている小児科医師であり、いまは子どもや成人にかかわりなく、障害のある人の診察や相談、社会活動にかかわっていることによります。わたしにとっては、そこは自分のホームグラウンドですから書きやすいのですが、それだけの理由ではありません。
 障害があることによって本当の心が表現されやすく、そのことについてどう考えるかということも比較的見えやすいのです。それは障害のある人の心やそのことに関する考え方の問題というのでなく、人間だれしもの心と考え方の問題です。そのような意味で書きましたので、どうか障害のある人の問題と限局しないで、読んでいただきたいと思っています。
 第1章の「こどもの心」は、子ども(成人になった人)の気持ちや心を表わし、「おとなの眼」は、その心をどう考えるかという意味をもたせ、章の表題にしました。またこの章の題を書名にしました。最後の16は、15までとは色あいが異なっていますが、人間の心や人間と人間の関係の起源についての考察として加えました。
 第2章は、主人公をてんかんのある妻とその夫という設定で、てんかんの問題とともに「意識」「自意識」「自己」「他者」「自分さがし」など人間の自己認識・自己確立の問題を取り上げました。章の表題を「ひとのこころ・人間の眼」としました。ここでも、「ひとのこころ」が気持ちや心を表現し、「人間の眼」は考え方を意味するというのは、第1章と同じ意味あいです。
 第3章は、障害のある人から見た感じ方、見え方を書こうとしました。障害のある人に関する本は、そうでない人から見て、障害のある人のことを書くことが多いのです。ここでは、障害のある人が見る世界、感じる感覚ということで書く努力をしたものです。
 第4章は、人間にとって基本的なことを、今よく語られている「自己実現」をキーワードにして、「他者実現」があってこその「自己実現」であるということで書いたものです。他の項に比べて読みづらいかと思いますが、本書各項に通ずるものであり、その基底になるものですから、読んでいただければと念願しています。

  二〇〇八年三月
著 者

 

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しんぶん赤旗 2008年5月18日号

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