検証 港から見た食と農
 ―自給率の危機と押し寄せる食品汚染


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港から見た食と農

柳澤 尚 著
兵庫県労働運動総合研究所 協力
定価 1260円(本体価格 1200円)
ISBN978-4-902244-95-3 C0036

●中国製ギョーザ事件……輸入食品の本質にせまる!
いまや日本の食糧自給率は39%。私たちが口にする食べ物は輸入に頼っている。
その輸入食品がまず運び込まれるのが港。
どんなものが輸入されている? 水際での検査体制は? 安全チェックは? 農業への影響は?
元税関職員が、深刻な自給率の危機と食の安全にせまる。

●もくじ  

はしがき
1 農は港にあり、食は港にあり
  下がり続ける食料自給率
  “輸入農産物の実態が知りたい”
2 「ギョーザ事件」再発防止策はだいじょうぶか 14
  「食品衛生監視員」の増員、たったの7人 14
3 広がる食品汚染、心配な日本の農業
  四人に三人が「食品の安全性に不安」
  急増する輸入食品―自給率は三九%に落ち込む
  抜け穴だらけの水際検査体制
  広がる食品汚染―学校給食パンから残留農薬
  アメリカ産トウモロコシからカビ毒・アフラトキシン
  改めるべきは国の農業政策―このままでは田や畑のない日本に
4 食べ物をめぐる異常な環境
  食料自給率の低下
  健康管理は企業任せ―家庭で調理する食事は一六%
  怖いコンビニ弁当―豚にも被害
  日本人の主食は何か
  世界で見直されているお米の力
  アメリカ産牛肉は安全なのか
  農産物輸入大国ニッポン
  魚の輸入も世界一
5 BSEとアメリカ産牛肉
  アメリカ産牛肉八〜九割が若い牛?
  国内初の新型ヤコブ病
  アメリカの牛肉
6 偽装事件の裏に何が見えるか
  BSEはなぜ日本に上陸したのか
  一生の間に二〇〇キロを超える添加物を摂取―食品添加物無認可使用の深層
   安全性未確認のアルデヒドの多用/ミスタードーナツの大肉饅からも
  中国産冷凍ホウレン草から残留農薬がゾロゾロ
  中国産野菜からも日本では禁止の発癌性殺虫剤検出
   アメリカ産ホウレン草からも二・四倍の農薬検出
  問われる企業のモラル
   日本のハムは水ぶくれ
7 食糧自給率はなぜこんなに下がったのか
  戦後、アメリカの余った小麦の受け皿に
8 古米もたちまち新米に 67
  輸入米に添加剤を入れて日本人好みに“変身”
9 遺伝子組み換え作物はだいじょうぶか
  すぐそこにある遺伝子組み換え作物
  増加し続ける遺伝子組み換え作物
10 食品の製造年月日はなぜ消えた
  世界貿易機関(WTO)体制になって……
11 ポストハーベスト農薬
  食料のアメリカ依存は、食品汚染の温床に
12 WTO、FTA、EPAと日本のお米
  二国間自由貿易協定(FTA)とは
  経済連携協定(EPA)とは
13 外食産業と若者たち
  早くて安いハンバーガーの秘密
14 学校給食はだいじょうぶか
  いま、学校給食は
  学校給食に地元野菜
15 兵庫では―食品汚染・環境汚染と安全回復の取り組み
  奇形ザルは警告する
  イボニシは泣いている
  安全回復をめざす兵庫県内の取り組み
   神戸港では/西播・姫路では
16 安全で安定した食料保障をめざして
  様変わりしている港
  消費者に伝わらない食べ物情報
  食料自給率の引き上げは緊急の課題
あとがき

はしがき


 本書を制作中の二〇〇八年一月末、中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件が発覚しました。そのギョーザから、有機リン系の農薬「メタミドホス」が検出されるというショッキングな報道が飛び込んできました。直後の二月一日、テレビ朝日の報道番組“報道ステーション”の取材を受け、水際の検査体制についてのコメントを求められました。その後、テレビ朝日の“Jチャンネル”、NHKラジオの“土曜ジャーナル”や週刊誌などからも相次いで取材を受け、同様のコメントを求められました。
 被害が広範囲にわたっており、一日も早く農薬混入の原因を明らかにしてほしいものです。それにしても行政機関や食品企業の対応の遅れは、目に余るものがあります。本書の中でも述べますが、あらためて、次のようなことを考えています。
まず第一に、水際の検査体制があまりにも不十分なことです。輸入時の検査体制を強化する必要があります。いま、加工食品については、ほとんど農薬チェックがされていません。
 もう一つ、日常的にチェックすることが難しい外国に加工食品の生産を頼ることは、無理があります。安全面での不安が常につきまといます。また、すでに世界の八か国が穀物の輸出規制を始めるなど、食料を海外に依存することは持続が難しい時代になっています。
 結局のところ、国内生産を励まし、食料自給率を高めることが最も重要です。国民の不安と心配が急速に高まっている現在、食の安全を守る抜本的対策が緊急に求められています。

  二〇〇八年三月

柳 澤   尚

 

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