手話通訳なるほど講座
 ――手話と手話通訳の力を磨く


注文する
手話通訳なるほど講座

市川恵美子 著
全国手話通訳問題研究会 編
定価 1200円(本体価格 1143円)
ISBN978-4-902244-93-9 C0036

●全国手話通訳問題研究会運営委員長、市川恵美子さんの待望の書!

●言語としての手話と翻訳技術・表現を考え、コミュニケーション力を高める!
 長年、手話通訳者として多くの聞こえない人に出会い、手話を学ぶ人とともに歩んだ
 40年の経験から、翻訳技術と表現、コミュニケーション力を高めるためのコツを伝授。

●もくじ  


はじめに
第1部●手話と手話通訳
1.手話とはどういう言語なのか
2.社会の変化の中で求められたこと
3.手話の特徴と手話通訳活動
4.通訳者としての力を高めるために
第2部●翻訳技術・表現を考える
1.誰のため、何のため
2.異なる言葉の異なる思考
3.通じているつもりの落とし穴
4.単語の置換と翻訳の違い
5.「格」を明確にする
6.空間、時間表現の妙
7.内容が伝わってなんぼ !!
8.会話言葉の表現力
9.イメージを手指にのせる
10.豊かな語彙を身につけて

はじめに

 私は常々、「手話はコミュニケーションの手段だから、通じることが最優先!」「手話通訳者は、聞こえない方々が疲れない手話で通訳することが大事!」と言っています。「正しい(言葉に正しいという形容詞を使うこと自体疑問ですが)、きれいな手話」をいくら使っても、通じなかったり疲れたりでは意味がないと思います。また、言葉とは暮らしの中で生きいきと使われなければならないし、使う人が自分を自由に表現できる道具でなければならないと思います。聞こえる私たちが手話を学び覚えるのは簡単なことではありませんが、聞こえない方々が手話で生きいきと暮らせる地域社会をつくることは、私たち自身も生きいきと暮らせる地域の実現になると思います。
 私が所属している全国手話通訳問題研究会(全通研)は、1974(昭和49)年の設立以来、そんな社会の実現をめざし、聞こえない方々とともに聴覚障害者運動を進めてきました。私も全通研のなかで多くのことを学びました。本書の「第1部」は、その全通研が開催する全通研学校で私が話したことをもとにまとめたものです。
 「第2部」は全通研が年4回発行している『手話通訳問題研究』に連載した「手話通訳なるほど大学」に若干の加筆をしたものです。全通研研究誌部に「手話通訳技術に関するものを連載します!」と決定事項として言われ、否も応もなく書くようになった「なるほど大学」で、毎回青息吐息でした。ところが、連載が10回を超えたところで、今度は出版部から「一冊にまとめます!」と晴天の霹靂。でも、自分が手話を学び、手話通訳者として現場に立ち、多くの聞こえない方々と出会い、たくさんの手話学習者や手話通訳者とともに学んだ40年をまとめる機会をいただいたのだと思い、覚悟を決めました。
 連載は、手話表現の技術や手話と音声語の変換技術を、文字と写真で説明することの限界を感じつつ、読む方の読解力に依拠しようと書き進めてきました。今回、一冊の本にまとめるにあたり、あらためて読んでみると、言葉足らずの説明が随所にあり、身が縮む思いをしました。いくつか加筆修正し、写真も撮りなおしをしてもらうなど、努力しましたが、本書もまた、読んでくださるみなさんの読解力、想像力を頼りにする結果となってしまいました。
 本書が、聞こえない方々とともに歩む手話学習者や手話通訳者の学習の一助になれば幸いです。
(「はじめに」より抜粋)

2008年2月  
市川恵美子

注文する

戻る

TOPページへ戻る