| 監訳にあたって(荒木穂積)
謝辞
序文
第1章 自閉症とアスペルガー症候群―診断基準をめぐって
第2章「コミュニケーションの障害」―実例と授業案
第3章「社会性の障害」―実例と授業案
第4章「感覚の差異」―実例と指導上の配慮
第5章 ソーシャル・スキルの評価手段―実例と解説
第6章 ソーシャル・スキルをのばす指導の実例
第7章 IEP(個人別教育指導プログラム)の書き方
訳者あとがき(森由美子)
参考文献
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序文
自閉症スペクトラムという難しい問題をかかえた幼い子どもの親として、自分たちが勧めていることを全く試したこともないのに、免状の数をリストにしたら1マイルくらいになりそうな専門家たちによる“もったいぶった話”に耳を傾ける以外、頼るものがなかった! 現在私は、人生の中でたくさんのことを達成してきた一人の成人の親であるが、それでもまだ困難に立ち向かっている。今でも、実際の経験があまりない人から助言や指導を受けることは、癪にさわる。私がこれまで仕事で関わった何千にものぼる家族の人たちも、同じような気持ちを抱いている。
レベッカ・モイズは、実践的な経験をもつ一人の親として、そして教育者として、我々に語ってくれる。
ペンシルヴァニアのある保護者の会の責任者という立場であるレベッカ・モイズに会う機会を得て、まず光栄に思った。レベッカはこの会の設立者で、保護者たちの小規模の集まりから、大規模で力をもった州単位の情報・擁護団体まで幅広く関わっている。
レベッカは元々通常学級の教師だったが、クラスで特別な教育指導を必要とする子どもをよく教えていた。後に彼女は二人の子どもの親となったが、そのうちの一人がアスペルガー症候群の診断を受けている。つまりレベッカは、障害児教育のプログラム体系を、「親」と「専門家」の両面で経験してきた。両方の役割をもっている彼女は、思いやりがあり、てきぱきしていて、大変有能である。
この本を読んだあと、参考書として手元に置いていおくならば、読者のあなたは、かなり得をすると思う。この本は実によくまとめられている。読者は、あるトピックについて必要な時に必要な内容を、手軽に、またじっくりと調べることができる。この本が、親として、そして教師としてのあなたの時間を無駄にしないというところが最も重要である。親も専門家も、理論的な助言よりも実践的な助言を必要としている。この本はまさにそれを提供しているのである。
この本は、今や自閉症スペクトラムという名でくくられる障害における社会的な困難が、見事に描写をされている。しかし、この本の最大の魅力は、IEP(Individualized
Education Program:個人別教育指導プログラム)と授業計画に関する情報であろう。ここには授業計画やIEPの具体的な例がたくさん詰まっている。子どもがそれぞれユニークなニーズを抱えていることは、私たちの誰もが知っていることである。しかし、IEPの目標や授業計画の書き方、または要求の仕方を知っている人たちであっても、これらの業務の理論に基づいた教材を分析し、そしてクラスで使う特定の教材を考え出す独創力をもっているとは限らない。レベッカが本書で成し遂げたのはこの点である。
私はこの序文を書いているものの、レベッカの本の出版はまだ数週間後である。しかしこの出版を楽しみにしている保護者には、既に宣伝している。学校の新年度に間に合うよう、今すぐにでも発売してほしいくらいだ。うれしいことに、春先には準備ができるようなので、保護者も教師も本の内容をよく理解し、IEPや授業計画に関する話が最も盛んに出る春の保護者・教師面談には、十分に備えることができるだろう。
私はこの本の、申し分のない、独創的な内容を大変気に入ったので、レベッカに次回の国際自閉症・アスペルガー症候群学会で講演をしてほしいと既に依頼をした。レベッカの本があなたの教育的な重荷を和らげてくれることを願う。なぜならば、彼女は、彼女自身の子どもが診断を受けて以来知り合った幸運な家族のために、既にそのようにしてきたからである。
スーザン・J・モレーノ
Maap Service会長、創始者、The Maap編集者、そして保護者
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