必携・特別支援教育コーディネーター


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必携・特別支援教育コーディネーター

著者 相澤雅文・清水貞夫・三浦光哉

定価2940円(本体価格2800円)
ISBN978-4-902244-79-3 C0037

●特別支援教育は学校ぐるみで取り組む課題
――コーディネーターはもちろん、全学校の必備の書

 特別支援教育が本格的に始まりました。  特別支援教育は、児童、生徒、学生の教育指導にかかわるあらゆる職種の人た ちが協働で取り組む課題です。特別支援教育コーディネーターだけでなく、幼稚 園、保育所、小・中・高等学校、大学という学校種にも関係なく教育に関係する あらゆる人々、さらに保護者や家族にも読んでほしい本です。

 現場で使用している試されずみの事例や様式を豊富に掲載。CD-ROMにも収録さ れ、すぐに活用できる。また、必要に応じてオリジナルな書式の作成もできる。

*特別支援教育関連法案・学校教育法施行令、教育基本法、障害者自立支援法な どの関連資料を多く収録。

 

●もくじ  

はじめに
【目次】
第1章 特別支援教育とコーディネーター
1 学校教育法等の改訂と特別支援教育の法定
2 小・中学校での特別支援教育
3 高校レベルでの特別支援教育
4 連携による一貫したケアと個人情報保護

第2章 子どもを理解するための方法
1 多様化・複雑化した課題と特別支援教育の関連
2 特別支援教育の対象となる障害とその教育的対応
3 医学的診断基準DSM−IVからみる軽度発達障害と関連する精神疾患
4 普段の様子や学習成果からできる「子ども理解」
5 児童・生徒の「特別な教育的ニーズを把握するための調査シート」
6 学年・校内の「特別な教育的ニーズのある児童・生徒の把握」
7 校内のケース検討会などに活用する「個別の実態把握シート」
8 日常的に活用する「気になる子どもの連携シート」
9 校内研修にインシデントプロセス法を取り入れる

第3章 保護者との連携・保護者への支援に向けて
1 特別支援教育コーディネーターと保護者
2 保護者に対するコーディネーターの支援
3 保護者への支援・連携上の留意点
4 保護者支援の継続性・連続性を

第4章 教育相談の役割
1 特別支援教育と教育相談
2 教育相談の心得
3 教育相談の流れ

第5章 特別支援教育コーディネーターがつくる個別の教育支援計画
1 個別の教育支援計画とは
2 個別の教育支援計画の必要性
3 個別の教育支援計画の作成手順
4 個別の教育支援計画の様式
5 個別の教育支援計画と特別支援教育コーディネーターの役割
6 個別の教育支援計画の評価

第6章 組織マネジメント
1 校内支援体制の構築
2 校外機関との連携
3 「ファシリテーター」としての特別支援教育コーディネーター
4 家庭との連携「本人・保護者とつくる支援シート」

第7章 地域特別支援教育コーディネーター、発達の守護神として走る!
1 与えられた名刺は「千歳市教育委員会特別支援教育コーディネーター」
2 汗をかかねば気持ちは伝染しない
3 地域の世話焼きオヤジとしてのコーディネーター
4 自覚すべきテーマは二次障害の防止とポジティブ思考
5 コーディネーターの動きとシステム
6 どんな成果が出たのか
索引
付録CD-ROMの内容及び取り扱いについて/付録CD-ROM収録ファイル一覧

◆◆◆関連記事紹介◆◆◆
みんなのねがい 2007年8月号
日本教育新聞 2008年2月4日

はしがき
 
 2007年4月は、特別支援教育が学校教育法改訂で法制化された後、最初に迎える新学期です。思い起こせば、特別支援教育が旧来の「特殊教育」にかわって登場したのが2001年でしたから、文部科学省の唱導の下、特別支援教育が各地で先導的に実施されて、6年が経過したことになります。
先導的実施の中で、ひときわ目立つかたちで注目されたのは、LD、ADHD、高機能自閉症などの軽度発達障害として括られる子どもたちのことでした。それは、文部科学省の調査で、約6%の児童生徒は、そうした子どもであることが発表されたということにもよります。そのこともあって、特別支援教育は、LD、ADHD、高機能自閉症などの子どもの教育のことであり、それは、旧来から障害児教育の対象となってきた視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病虚弱、言語障害、情緒障害という障害種の子どもとの教育とは区別されるかのごとき理解もあると言えます。これは誤解であることをまずもって指摘しておきます。 特別支援教育は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病虚弱、言語障害、情緒障害という障害種の子どもたちに対象が限定されていた「特殊教育」をLD、ADHD、高機能自閉症などの子どもにまで対象を拡大したことは確かです。しかし、拡大されたLD、ADHD、高機能自閉症などの子どもへの特別な教育指導の提供が特別支援教育ではありません。むしろ、学習や生活の上で「困っている」子どもへの適切な教育的対応と特別な教育指導の提供が特別支援教育であると把握すべきであると、筆者は理解しています。その上で、そうした「困っている」子どもの中に、医学上で、LD、ADHD、高機能自閉症などと診断される子どもたちが含まれていると理解すべきでしょう。
旧来の「特殊教育」の対象障害児も、生活や学習で困難を抱えているなら、そうした子どもたちは特別支援教育の対象です。またLD、ADHD、高機能自閉症などと診断され「困っている」子どもがいれば、そうした子どもも特別支援教育の対象です。さらに、医学的には何らの診断を受けていないが、LD、ADHD、高機能自閉症などの子どもと同一の状態を示して「困っている」子どもにも、特別支援教育ということで適切な教育的対応がなされるべきです。そして、そうした「困っている」子どもは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、高等教育機関、特別支援学校などに在学しますから、あらゆる教育階梯の教育機関の直面する課題が特別支援教育であると言えます。それは、特別支援学校の課題であり、通常の幼稚園や保育所、小・中・高等学校、大学の課題です。加えて、特別支援学級担任や特別支援学校の教員のみが関心を向けるべき事項でもありません。
ところで、「LD、ADHD、高機能自閉症等」と並記され、「軽度発達障害児」として括られることも多々あります。この並記と括り語には問題があります。まず、LD、ADHD、高機能自閉症等の一つひとつの障害は、医学的診断上でも異なるものであり、適切な教育的対応も異なると理解しなければならないでしょう。そうした意味で、「軽度発達障害」という用語で一括りにして理解することもできないと、筆者は考えています。また、「軽度発達障害」という括り語は、「軽度」の意味を誤解して、適切な教育的対応が「軽微」ですむと理解することにつながりかねないとも筆者は考えます。
適切な教育的対応をとるというとき、「LD、ADHD、高機能自閉症等」の子どもは、医学上の診断が何であるかということより、一人ひとりの子どもの「困っている」状態の把握と理解が適切な対応の導きになると筆者は考えています。とは言え、教員がLD、ADHD、高機能自閉症等について、医学的な理解をしておくことは適切な教育的対応を構築する上で有益であることを忘れてはならないでしょう。
さて、本書は、「困っている」子どもへの適切な教育的対応において、キーパーソンとして機能する特別支援教育コーディネーターを主な読者対象にして編集しました。それゆえ、特別支援教育コーディネーターとして指名された教員に、まずもって読んでほしいと考えています。本書の執筆者たちは、通常の教育および特別支援教育の教育現場での経験を積んできた人ばかりです。そのため、執筆者各自の教育現場の経験を踏まえた論考になっていると確信しています。その意味で、特別支援教育コーディネーターにとって必須の事項を執筆していただいています。加えて、教育現場で実際に使用することのできる書式などをCD-ROMに保存してあります。CD-ROMの内容は、教育現場で実際に使用しているものですから、そのまま使用できることでしょう。なお、必要に応じて、手を加えて手直しをして自らの書式をつくることもよいでしょう。
しかしながら、特別支援教育は、指名された特別支援教育コーディネーターだけが取り組む課題ではありません。学校では、学校ぐるみで取り組むのが特別支援教育です。児童、生徒、学生の教育指導にかかわるあらゆる職種の人たちが協働で取り組む課題です。加えて、特別支援教育は、幼稚園、保育所、小・中・高等学校、大学という学校種に関係はありません。それゆえ、教育に関係するあらゆる人々に本書を読んでほしいと思います。さらに、教育は、保護者や家族にも関係するということで、保護者の方々にも読んでほしいと思います。
2007年4月1日
執筆者を代表して 清水貞夫


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