発達障害といじめ
 “いじめに立ち向かう”10の解決策


注文する
発達障害といじめ

キャロル・グレイ 著
服巻智子 訳・翻案・解説
定価 2940円(本体価格 2800円)
ISBN978-4-902244-74-8 C0036

●発達障害の子どもたちは、なぜいじめのターゲットになるのか?
 その実態と具体的な10の解決策を提示し、日本での実践事例も紹介する画期的な本!
 定型発達の子どもたちにも、ともに学び取り組める「いじめ防止プログラム」

●もくじ  

著者まえがき
 ――発達障害の人たちの苦悩に学ぶいじめ対策
   キャロル・グレイ
編訳者まえがき
 ――日本語版発行にあたって 服巻智子

第1部 いじめとは何か ――定義と実際

  はじめに
 1 発達障害をもつ学齢期の子どもたち
 2 発達障害の子どもたちのことを考えたいじめの定義
 3 いじめの発生とその影響
 4 いじめっ子といじめられっ子
 5 いじめの基本的類型
 6 発達障害の子どもたちが狙われやすいいじめ
 7 いじめのバックドラフト
 8 いじめについての誤った通念と発達障害

第2部 “いじめに立ち向かう”10の解決策
     ――いじめ防止プログラムの実際

 解決策・その1 いじめの地図を描く
 解決策・その2 
  「いじめは絶対いけない」と強く信じる
  子どもを増やすこと
 解決策・その3 その子のための「いじめ
  対策チーム」を立ち上げる
 解決策・その4 いじめを封じ込めるので
  はなく、とことん見つけ出すこと!
 解決策・その5 すぐに報告する習慣をつける
 解決策・その6 大人の姿勢の見直し
 解決策・その7・本音と建て前の両方を教える
      ――「だれもが友だちというわけで
        はない」それでOK!
 解決策・その8 いじめ防止プログラムの実際
 解決策・その9 自尊心を育てる
 解決策・その10 大人の責任といじめ防止の
  個別化 ――10色のクレヨンのたとえ

第3部 いじめに立ち向かう
 ――保護者と専門家のために
   〈ワークブックの使い方〉

  1 いじめ対策チームがやるべきこと
   〈ガイドライン〉
 2 “いじめかもしれないこと”に対する
   誠実な対応の模索
 3 「いじめに立ち向かうワークブック」
   ――考え方とどうすべきかを学ぶ
     〈ワークブックの使い方〉

第4部 日本での実践をすすめるために 服巻智子

 1 “いじめに立ち向かう”日本の実践例
 2 実践をすすめるために

編訳者あとがき


◆◆◆ワークブックが発売されました◆◆◆
いじめに立ち向かうワークブック
<小学校低学年用>
いじめに立ち向かうワークブック
<小学校高学年・中学生以上用>

■□■□■□ 関連書籍 □■□■□■□■

当事者が語る結婚・子育て・家庭生活
 自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド3

当事者が語る異文化としてのアスペルガー
 自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド2

自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド

発達障害と大学進学
 ―子どもたちの進学の夢をかなえる親のためのガイド

お母さんと先生が書く ソーシャルストーリー™
 ―新しい判定基準とガイドライン

ソーシャル・ストーリーブック
 ―書き方と文例

著者まえがき
発達障害の人たちの苦悩に学ぶ
いじめ対策

キャロル・グレイ  Carol Gray

 一年前、私はあるクリスマスパーティに参加しました。医師のバーバラが同僚である放射線医のアンドリューのことを、集まっていたゲストに話していました。
 バーバラは、彼の特異な行動についておもしろおかしくみんなに話します。彼の奇異な振る舞いについて、彼女や病院の同僚がしばしば話題にしているのだと言います。
 たとえば、アンドリューが毎日まったく同じ時間に病院に来て、同じ時間に帰っていくこと、他のスタッフとは滅多におしゃべりしないこと、そして、ときどき他の人の言葉や行動の要点を聞き漏らしたり見落とすことがある、というのです。この井戸端会議が解散した後、私はバーバラのところに話しに行きました。私は話題になっているアンドリューが、高機能自閉症と診断されている人々の行動に似ていることを指摘しました。私は彼女にトニー・アトウッド著『ガイドブック アスペルガー症候群――親と専門家のために』(Tony Attwood, 1998・東京書籍)を貸してあげましょうと申し出ました。しかし、彼女は言下にそんな本はいらないと言い、さらにこう言いました。「彼の本当のことがわかったら、話がおもしろくなくなっちゃうじゃない!」私はショックを受け、どう返答してよいかわかりませんでした。しかし、翌年の1月までには、私なりの答えを見つけました。私は自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもたちに関連するいじめについての勉強をはじめ、その後、本書を書き始めることにしたのです。

 本書は、ジェニソン郡教育委員会とその学校群、「社会性の学習と理解のためのグレイセンター」の共同プロジェクトによってできた本です。ジェニソン郡の公立学校群は、自閉症スペクトラム障害の分野では長年にわたる実績によって北米で名声があり、『The Morning News』という機関誌を10年間、発行していました(訳者注:すでに廃刊)。さらにジェニソン公立学校群はソーシャルストーリーズTMのような多くの教育的指導法の開発に協力してきました。

 「社会性の学習と理解のためのグレイセンター」(略称:グレイセンター)は、自閉症児者、ならびにその人たちのために仕事をしている人々にサービスを提供している非営利のNPO機関です。グレイセンターが提供しているサービスには、ワークショップの主催、特別プロジェクトやプログラムへの資金提供ならびに教育資源の開発、本書のような書籍の発行などがあります。
 この『発達障害といじめ』(原題「グレイのいじめガイド」)では、いじめの対象になりやすい発達障害の子どもたち(ASDの子どもたち)にスポットを当て、いじめの問題を取り上げます。いじめに対する介入についての情報収集を手伝ってほしいという私たちの要請に対して、予想をはるかに超えた反応をいただいたことからも、このテーマが緊迫した課題であることは明らかです。実は保護者、教師や自閉症支援の専門家、そして誰よりも発達障害の子どもたち自身が、いじめの問題を解決するための豊富な情報と経験をもっているのです。そのことは、いじめとは、年齢を問わず(子どもから大人まで)、家庭、学校、地域、職場など環境を問わず起きており、緊急な対応が、求められていることのあらわれとも言えます。本書が、それらの解決の一助となれば幸いです。

* * * * * * * * * *

キャロル・グレイ  Carol Gray
 ミシガン州ジェニソン郡で、自閉症専門の教師として長年勤務。その間、アスペルガー症候群や高機能自閉症の子どもたちに、社会的なルールを教える際に有効な視覚支援の教育法を、「ソーシャルストーリーズTM 」として発表。各国の自閉症支援に権威ある人たちから強力な支持を受けた。その後、同郡の自閉症専門の教育コンサルタントとなり、同郡内の教職員のサポートを続けるかたわら、世界中からの依頼を受け、専門家のソーシャルストーリーズTM の指導を行っている。
 ソーシャルストーリズTM が広まるにつれ、誤解や誤った用い方がされる危険性が高まったために、さらに内容を進化させた「ソーシャルストーリーズTM10.0―新しい判定基準とガイドライン」を発表(『お母さんと先生が書くソーシャルストーリーTM ―新しい判定基準とガイドライン』クリエイツかもがわ)、ソーシャルストーリーズTM を学ぶ人の必携書となっている。関連書に、ソーシャルストーリー文例集1『自分について』文例集2『家族について』『褒め方ガイド―対人関係上達のコツ』(いずれもASDヴィレッジ出版)、『ソーシャル・ストーリー・ブック―書き方と文例』(クリエイツかもがわ)、『コミック会話―自閉症など発達障害のある子どものためのコミュニケーション支援法』(明石書店)などがある。

注文する

戻る

TOPページへ戻る