いらっしゃいませ「ほのぼの屋」へ
 ――このまちであたりまえに暮らしたい


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高橋清久・藤井克徳・社会福祉法人まいづる福祉会・
まいづる共同作業所運営委員会 編著
ISBN4-87699-729-2 C0036
定価 2100円(本体価格2000円)

●「施設から地域へ」の流れのなかで必読の書
● 噂のカフェレストラン「ほのぼの屋」は精神障害者の働く施設!

 舞鶴湾を見下ろす小高い丘にある、本格的なフレンチレストラン「CAFE RESTAURANTほのぼの屋」。ここは精神障害のメンバーの仕事場です。一流シェフの料理、最高のロケーションで予約は1か月先まで満杯の盛況。

  私たちがレストランを選んだのは、障害者だけが利用できる施設でなく誰もが利用できる施設をめざしたいと考えたからです。

  私たちは、日頃「ノーマライゼーションの実現を!」と訴えてきた反面、障害者しか利用できない「アブノーマル」な施設、一般市民が気軽に出入りできない「バリア」のある施設を知らぬ間につくってきたのではないかという反省の上に、このレストランをつくりました(「はじめに」より)。

  本書は、「ほのぼの屋」で生きいきと働く精神障害のメンバーとエピソード、母体のまいづる共同作業所の二五年のあゆみ。そして、レストラン誕生の大きな力になったフォーラムの記録。障害者への理解、精神障害者の現状と地域生活支援など、障害者があたりまえに地域で生きていくための課題を提起しています。

●もくじ ●内容紹介

第1章 いらっしゃいませ「ほのぼの屋」へ、ようこそ! 
 授産施設で本格的フレンチ!?
   ――ここで働くのが夢
    メンバーの写真と料理メニュー(イラスト)

第2章 障害のある人たちを正しく理解する
    ――徳川輝尚
     (全国身体障害者施設協議会会長・
      社会福祉法人こひつじの苑施設長)

第3章 障害のある人たちの夢をかたちに
    ――米川徳昭
     (社会福祉法人ふたば福祉会常務理事・
      ふたば第2作業所施設長)

第4章 精神障害者を取り巻く壁を打ち破る
    ●精神障害者に人権と尊厳を
    ――中田政義
     (弁護士・京都弁護士会
      「高齢者・障害者支援センター」
       精神保健支援部会部会長)
    ●精神障害者が安心して暮らせる地域社会を
    ――高橋清久(国立精神・神経センター総長)

第5章 障害者のための地域生活支援体制を確立する
    ――藤井克徳
     (日本障害者協議会常務理事・
      きょうされん常務理事)

各章発言◎障害のあるメンバー、家族・スタッフが
     赤裸々に語る(十六人)!


◆関連記事
舞鶴市民新聞 2003年2月18日
赤旗 2003年4月
全国障害者問題研究会 みんなのねがい 2003年5月号
読売新聞 2003年4月13日

 
はじめに

「ノーマライゼーション」「バリアフリー」
 いずれも、私たち福祉関係者が日ごろ言い続けてきた言葉です。
 けれども、そうした理念によって実現したはずの、せっかくの施設のほとんどが、市民の出入りする姿を見かけることが少ないものになっています。だとすると、結果的に私たちは「バリア」を作ってきたのかもしれません。
 それでは、私たちが求め、障害者が願い続けてきた、健常者を含めて人と人の出会いがあたりまえに行われる「場」は、どうしたらつくりだすことができるのだろう。
 二〇〇二年四月に、精神障害者授産施設「ワークショップほのぼの屋」は、そうした試行錯誤の積み重ねを経て、障害のあるメンバーの仕事場として、舞鶴湾を見下ろす高台に本格的なカフェレストラン「ほのぼの屋」をオープンしました。
 レストランにはさまざまな仕事があり、お客様との交流が生まれます。そうしたサービスを通じて得られる日々の実感が、仲間たちの励みになります。そして何よりもレストランは「食」という共通のテーマで誰もが利用する施設です。
 私たちはここにいたるまで、ほんとうに曲折の多い道のりをすすんできました。
 無認可の障害者共同作業所「まいづる共同作業所」は一九七七年九月設立されました。中古のプレハブからはじまった作業所が、さまざまな人たちに支えられ、仲間たちの願いや夢を少しずつ実現しながら、四半世紀の歴史を重ねてきました。
 障害のある仲間たちのほんとうの願いは何か。本当の夢は何か。それらを実現させるために、私たちに何ができるか。何が必要か。
 日々、試行錯誤の連続でした。
 そして、そうした願いや思いを、現実のものにするために計画されたのが、二〇〇〇年から翌年にかけて開催された「障害者福祉連続フォーラムin舞鶴」の取り組みでした。
 フオーラムでは障害のある仲間や家族が、自らの言葉でその実情を語りました。それは一般社会の人たちに向けてかつてない切実な「発信」でした。
 また京都府、舞鶴市など関係諸団体が後援していただいたこのフォーラムには、地元行政、多様な施設、医療・福祉関係者、府・市議会議員、民生委員、そして一般の市民など、さまざまな関係者が参加しました。マスコミの報道も追い風になり、広く理解を得る機会にもなりました。
 そして、何よりも講師としてわが国における福祉分野の最先端を担う専門家の方々をお招きし、その知見に接することができました。これらの講演によって私たちは、あらためて地域との結びつきの大切さを再確認し、何よりも障害者自身の願いや思いをしっかりと支えつつ、家族とさまざまな分野の関係者が連携しあうなら、必ずや着実に展望を開きうることを深く確信しました。私たちは文字どおり、志と決意を新たにしました。
 その後「精神障害者社会復帰施設」が、フォーラムの成果に励まされて実現しました。長年望まれてきた施設でしたが、「夢」はいつかきっとかなうのだという確信を深める「一歩」でした。
 本書は当初「フォーラム」の全記録として企画されました。講演内容と障害者・家族・関係者の発言を再録し、その成果を広く共有していきたいと考えたのです。
 その後、障害者地域生活支援センターとともにカフェ・レストラン「ほのぼの屋」が開設され、地域の人々から共感をもって迎えられました。そして、事業活動も好評裡に進捗しました。そこで、フォーラム後の私たちの実践を併せてお知らせし、生きいきとした現場の様子を反映する本づくりにしていきたいという声がおこりました。フォーラムで私たちが学んだ「障害者が地域であたりまえに暮らす」姿が、まだまだ初歩的な段階ではありますが、それなりに実現しているという私たちの自負もありました(フォーラムの記録は、講演者の肩書きおよび年号を現時点のものに修正し、その後の情勢の変化について若干の補足をしていただきました)。
 この本は、日本海の小都市、舞鶴からのささやかな発信です。
 障害者と地域社会の結びつきがいっそう新しい段階へ、歩みをすすめるうえで、本書の出版がなにがしかの役割を果たすことを願い、全国のみなさまに送ります。


  二〇〇三年一月

社会福祉法人 まいづる福祉会
まいづる共同作業所運営委員会 

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