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まえがき 1
第 I 章 障害児放課後のアクションリサーチ ―京都障害児放課後・休日実態調査に取り組んで―
- 1.障害児の放課後臨床―調査の目的・対象・方法―
- (1)京都障害児の放課後・休日実態についてのアンケート調査(調査A)
- (2)京都障害児の放課後・休日実態についてのインタビュー調査(調査B)
- (3)障害児の放課後保障に関わる学生ボランティアの意識調査(調査C)
- 2.調査結果の特徴―調査で聞いてきた父母の声―
- (1)制度・サービスの到達点
- (2)調査結果の概要―回答者の属性と傾向性―
- おわりに―振り返りのチカラ―
第 II 章 673人の放課後・休日に込める思い ―調査A「京都障害児放課後・休日実態調査」―
- 1.子どもと家庭の状況
- (1)属性
- (2)子どもの状態
- (3)家庭・地域で過ごす時間
- (4)世帯構造
- (5)両親の就業
- 2.放課後・休日の過ごし方
- (1)いっしょに過ごす人
- (2)主な活動内容(制度・サービスを利用していない時)
- (3)家の中・外で過ごす理由
- 3.放課後・休日の制度、サービス
- (1)制度・サービスの概要
- (2)全体の利用概況
- (3)公的学童保育
- (4)学校5日制対策事業
- (5)学生・ボランティアによる余暇サークル
- (6)水泳や塾などの有料活動
- (7)個別ボランティア
- (8)ホームヘルプサービス
- (9)障害児だけの学童保育(自主運営)
- (10)レスパイトサービス
- (11)ショートステイ
- (12)寄宿舎
- (13)「その他」の制度・サービス
- 4.自由記述のまとめ――困っていること、今後への希望
- (1)学校外生活で困っていること
- (2)子どもに過ごさせてやりたい放課後・休日の内容
- (3)子どもにとって必要な制度・サービス
- (4)家族にとって必要な制度・サービス
第 III 章 障害・学年・自治体による比較・検討 ―調査A「京都障害児放課後・休日実態調査」―
- 1.知的、肢体、自閉症、病虚弱障害の比較検討
- (1)調査における障害をもつ子どもの属性の傾向
- (2)障害の留意点
- (3)子どもたちは家の中でどのように過ごしているのか
- (4)家の外で子どもたちはどのように過ごしているのか
- (5)制度・サービスの利用状況
- (6)保護者の願い
- (7)われわれが今後考えていかなければならないこと
- 2.聴覚障害のある子どもに関する検討
- (1)地域から離れ、話が通じにくいために、友達ができない
- (2)親の都合で外出できない
- (3)外出するにも親の手が必要
- (4)障害の特性からくる困難性(コミュニケーションの難しさ)
- (5)放課後は気持ちが通じ合える友達と遊びたい
- (6)障害のニーズにあった取り組みを地域でも実現してほしい
- (7)安心して預けられる場;コミュニケーションがとれるスタッフの必要性
- (8)われわれが今後考えていかなければならないこと
- 3.視覚障害児に関する検討
- (1)視覚障害児と家族の置かれている現実を出発点に
- (2)視覚障害と「外出」の困難
- (3)視覚障害と「あそび」「まなび」
- (4)視覚障害児の楽しみやすい遊具など
- (5)「近所に友達がほしい!」
- (6)視覚障害児生の放課後・休日をもっと豊かに
- 4.軽度発達障害児に関する検討
- (1)テレビやゲームが中心の生活
- (2)友達がいないことは深刻な問題
- (3)経験をたくさん積み、多くの人と出会いたい
- (4)制度・サービスを受ける権利がある
- (5)軽度知的障害の生徒について今後求められること
- 5.寄宿舎について
- 6.学年別に関する比較検討
- (1)調査における学年別の人数の傾向
- (2)全体の特徴
- (3)子どもたちは家の中でのどのように過ごしているのか
- (4)家の外で子どもたちはどのように過ごしているのか
- (5)制度・サービスの利用状況
- (6)家庭生活で困っていること
- (7)われわれが今後考えていかなければならないこと
- 7.自治体別に関する分析
- (1)全体の状況
- (2)自由記述における傾向
- (3)今後、私たちが考えていくべきこと
- 8.兄弟姉妹に関する検討
―ぼくたち・わたしたちの願いを聞いて
〜兄弟姉妹が担う負担の大きさ〜
- (1)兄弟姉妹が家族の大事な担い手になっている
- (2)保護者の代わりにお留守番
- (3)保護者の悩み〜兄弟姉妹に精神的・肉体的に負担をかけている〜
- (4)兄弟姉妹も大切な子ども〜二人の時間を大切にしている〜
- (5)兄弟姉妹に関する課題と今後の取り組みのあり方
- 9.学校完全5日制導入後の生活の変化について
―親も子もへとへと学校5日制
- (1)たくさんの時間ができて生活は悪い方に変化
- (2)具体的な変化 良かった点
- (3)具体的な変化 悪くなった点
- (4)受け皿や家族で過ごせるプログラムの充実を早急に
〜家族そろって過ごせるような労働環境の整備も必要
- 10.母親の就労状況と学童保育―働きたくても働けない
- (1)半数に満たない母親の有業率と膨らむ就労意欲
- (2)就労できない理由「預けるところがない」「子どもの養育で就労できる条件にない」
- (3)公的な学童保育の利用状況
- (4)京都府各自治体の学童保育施策の現状
- (5)つなわたりのボランティア・サービス利用
- (6)公的学童保育への要望
- (7)全国に存在する障害児だけの公的な学童保育
- (8)学童保育は就労家庭以外にも望まれている
第 IV 章 障害児の放課後インタビュー ―調査B「京都障害児放課後・休日聞き取り調査」―
- 1.保護者の属性と子どもの状況
- (1)聞き取り対象保護者、および子どもの属性
- (2)子どもの状態
- (3)世帯構造
- 2.母親の就業
- 3.放課後・休日の過ごし方(制度・サービスを利用していない時)
- (1)家庭・地域で過ごす時間
- (2)いっしょに過ごす人
- (3)主な活動内容
- (4)休日の外出、家族旅行
- 4.学校完全5日制導入後の家庭生活
- (1)生活の変化
- (2)障害児の介護と兄弟姉妹の生活
- (3)保護者を援助してくれる人、相談するところ
- 5.放課後・休日の制度、サービス
- (1)全体の利用概況
- (2)今すぐ必要な制度・サービス
- (3)自治体の地域生活支援施策への満足度
- 6.子育てを振り返って
- (1)子育ての苦労や不安
- (2)子育ての喜び、得たもの
第 V 章 障害児と家族の暮らしから学ぶ
- 1.兄弟姉妹の問題〜姉が支える家族生活〜
- (1)母親がわりの姉の存在
- (2)姉の負担の軽減につながった公的学童の利用
- (3)感想
- 2.父親の感じる子育て環境の課題と要望
- (1)育児休暇をとった父親
- (2)育児環境の整備に関する要望
- (3)感想
- 3.母の孤立と情報不足
- (1)母が孤立
- (2)情報不足
- (3)感想
- 4.医療的ケアが必要でも受け入れてほしい
〜親子ともに充実した休暇のために〜
- (1)医療的ケアが必要でサービスが利用しにくい
- (2)制度・サービスへの要望
- (3)感想
- 5.障害児学童で出会った人・活動によって育てられた力
- (1)家族のかかえる課題
- (2)障害児学童を利用して
- (3)制度・サービスの要望
- (4)感想
- 6.一人親家庭の苦労
〜経済的な面だけでなく肉体的・精神的苦労がある〜
- (1)家族のかかえる課題
- (2)一人親家庭の苦労
- (3)一人親家庭を支える年齢制限のない
公的学童保育の充実を
- (4)感想
- 7.1か月5万円の出費
〜共働きの家庭の経済的負担の大きさ〜
- (1)家族のかかえる課題
- (2)児童館の自由来館を利用することによる経済的負担
- (3)制度・サービスの要望〜学童保育受け入れ学年の延長〜
- (4)感想
- 8.さまざまな葛藤を乗り越え、がんばっているお母さん
- 9.障害児の放課後調査を終えて〜子育ての負担を軽くするために〜
- 10.子どもの今後の制度・サービスの充実を考える
- (1)はじめに
- (2)調査を通じて感じたこと
- (3)おわりに
- 11.制度・サービスの充実を願う親たちの声
- 12.調査を通して学んだこと
〜親の要望を声にしていくことの重要性〜
- 13.子ども本人と家族の要望にあったサービスの充実を
第 VI 章 ボランティア活動における学生の学びと成長 ―調査C「障害児の放課後・休日保障活動に関わる学生の意識調査」―
- はじめに
- 1.活動参加者のプロフィール
- (1)団体への所属の有無
- (2)活動への参加年数
- (3)活動への参加頻度
- 2.放課後活動での学びと成長
- (1)活動を始めた動機・きっかけ
- (2)活動に参加して良かった点
- (3)活動に参加してつらかった点
- (4)活動を辞めたいと思ったこと
- (5)活動を辞めたいと思った理由
- (6)活動に参加することで身に付いたもの
- (7)謝礼の有無について
- (8)謝礼についての考え
- (9)活動が将来にどのような影響を及ぼしたか
- (10)活動に参加して、障害や障害児、障害児の家族についてどのように考えるようになったか
- 3.障害児の放課後・休日保障活動についての活動者の考え
- (1)放課後・休日保障活動の課題
- (2)活動上必要な整備
- (3)これから障害児がどのような放課後・休日を過ごせるようになればいいと思うか
- 4.大学生とボランティア活動
- ●コラム
- 多くの方に知っていただきたい
- 一刻も早い障害児の放課後・休日保障を
- 医療的配慮が必要な子どもがいても、安心して家族で生活したい
- あたりまえの生活が保障される地域に
- 成長、発達を支える放課後、休日について
- 資料
- あとがき
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はじめに
7168時間。これは調査結果から算出した、学校完全5日制導入後1年間に障害児の多くが家庭で過ごす放課後、休日の時間です。1年365日は8760時間ですから1年の約8割の時間を子どもたちは家庭で過ごしていることになります。毎日の放課後に加えて、毎週の連休、1か月を越える長期休暇。ハッピーマンデーの出現によって3連休も目立ちます。「ブルーマンデー」と表現する保護者は少なくありませんでした。「地域教育力」を売り物に導入された学校完全5日制。本当に障害児にも今「地域教育力」は発揮されているのでしょうか。
「楽しいってどういうことか教えてやりたい」「家に鍵をかけて、いつもひとりきりでお留守番。申し訳ないと思っている」「お兄ちゃんを好きなようにさせてやれない」。戻ってきたアンケート用紙にはびっしりと親の願いとにっちもさっちもいかない状況が書き記してありました。まとまって数字で見るとあらためてその厳しさに目を奪われます。「妻が2月に亡くなった。学童保育は後1年しかない」。ひとくくりにできない個別の状況もまた、他人事ではありません。調査結果に示された放課後、休日には子どもの貧しい生活に加えて、「家族の生活」「子育て」「地域・施策」そのものの問題があふれていました。教育力どころか家庭生活をどう維持するのか、問題は切羽詰まっています。
障害のある子どもたちの放課後、休日あるいは地域生活の深刻さは当事者の間ではずいぶん前から問題とされ、公的学童保育や障害児学童保育(長期休暇ケア)などそれぞれの側面から必死の努力がはらわれてきました。しかし、なかなか社会的な大きな問題として継続的にクローズアップアされることはありませんでした。ところがここにきてようやく、最近の学校完全5日制導入や支援制度導入のなかで社会的な注目もなされるようになってきています。保護者の意識も高まっています。こういった状況のなか、実際の親子がどう過ごしているのか、学齢期の家族の多様なニーズをどんな制度、サービスが支えているのか、それぞれ細切れにしか見えなかった制度、サービス、居場所を一枚のパネルに埋め込む作業もあわせて行うことを目標に、京都障害児放課後ネットワ ークでは、立命館大学津止研究室とともに調査に取り組みました。
本書はその調査データとまとめを皆様にお届けし、今後の指針として活用していただくために編集されました。さらに、支援費制度導入直前の実態を明らかにすることで、導入後の変化を探る指標としての役割も持たせております。
本書は、3つの調査報告を柱に6つの章と資料集から構成されています。
キーワードは「実態」と「制度・サービス」「居場所」です。障害児の放課後・休日における「子ども・家族の過ごし方と願い」を明らかにし、同時に「制度・サービス」「居場所」を一覧にしながら、どんな「行き場所」があるのかを横断的につかんでいただけるようまとめました。
各章の内容についてもう少し詳しく触れておきます。
第T章では今回同時に行われました3本の調査についての概要と属性を、また第U章では、673世帯のアンケート調査データをグラフ化しながら解説しています。約7割の子どもたちの「テレビが友達、遊び相手は家族だけ」といった実態とともに、調査時点に京都府内にあった放課後・休日にかかわる居場所、制度・サービスについての利用状況、保護者の感じたそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。制度・サービスが実際に果たしている役割が見えてきています。第V章ではこのアンケート調査を障害、居住地別、就労などいくつかの側面から傾向と特徴をまとめております。視聴覚、軽度障害といったこれまであまり触れられなかった側面からもアプローチしています。
このアンケート調査をさらに詳しく項目を加え背景を明らかにしたものが第W章インタビュー調査結果です。「なぜ就労できないのか」「兄弟姉妹の子育ては」「学校5日制で子どもと家族はどう変わったか」など京都府内18市町96人の保護者の回答を集計しました。続いて第X章では、インタビューをした学生調査員の学びを事例と感想の形でまとめました。柔らかく率直な心がどんなメ ッセージを親たちから受け止めたのか……ちょっと疲れ気味の当事者、関係者に元気を与えてくれるビタミン剤となっています。第?章では、学生・ボランティア意識調査についての調査データとそのまとめを行っております。学生・ボランティアの振り返りと社会に向ける新鮮な視点に触れてください。付属資料には、都道府県事業一覧や全国実態調査一覧を掲載いたしました。
障害児やその兄弟姉妹の子育て、保護者の社会的役割の増、祖父母の介護等々、たった12年間の間にめまぐるしく状況もニーズも変化する学齢期の家庭生活。そこには、見えにくい子育てへの不安を反映し、保護者の子どもへの教育的、療育的ニーズも常に大きな位置をしめています。成人期をノらみつつ、学齢期特有の援助のあり方も検討される必要があると思われます。また、同時に子ども自身の視点に立って「どんな過ごし方や利用形態を子ども自身は願っているのか」を明らかにしていくことは私たちの緊急な課題であると認識しています。支援費制度が導入され、大きな変化がある時期ではありますが、原点となる実態や願いは今も変わらず存在しています。この報告が京都のみにとどまらず、全国の多くの関係者の目にとまり、制度施策の創出や実践、ネットワ ーク作りの一助になればと願います。
最後に、アンケートや聞き取り調査にご協力くださった保護者、学校PTA等関係者の皆様には心より感謝いたします。また、迷い道ばかりの白書作成にあきれることなく根気強く作業してくださいました、クリエイツかもがわの田島様、編集者の小国様には多くのご苦労をおかけしました。ありがとうございました。
2004年4月 京都障害児放課後ネットワーク 事務局長 津村恵子
執筆者一覧(50音順)*は編者
岸 博実 盲学校教諭 第III章3
小中 基司 養護学校教諭 第III章7
澤 月子 養護学校教諭 第III章1
鈴村 敏規 京都障害児放課後ネットワーク事務局 資料
*立田幸代子 立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程 第III章8、第V章
*津止 正敏 立命館大学産業社会学部教授 第I章、第VI章
*津村 恵子 京都障害児放課後ネットワーク事務局長 第II章、第III章2、9、10、第IV章
中山 淑子 小学校障害児学級教諭 第III章6
西村 京子 養護学校寄宿舎 第III章5
秦 易子 立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程 第IV章
林 孝司 中学校障害児学級教諭 第III章
◆関連記事◆
・京都新聞 2004年8月16日
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