笑顔がひろがる子育てと療育
 ―発達支援の場を身近なところに


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笑顔がひろがる子育てと療育

©近藤直子・©全国発達支援通園事業連絡協議会●編著
定価 1575円(本体価格1500円)
ISBN978-4-86342-049-6 C0036

●子どもに育てにくさを感じたり、不安をもつ段階から利用できる児童デイサービス。離島や過疎地も含めた全国各地の、乳幼児期からの発達支援・家族支援・保健師、保育所、学校との連携・地域のシステムづくりの取り組みを紹介。小さな障害児でなく子どもとして育てられることの大切さを呼びかける。

●もくじ ●内容紹介

はじめに  田村智佐枝

第1章  子どもたちに笑顔を保障して 発達支援の取り組み
 1 乳幼児期の発達と発達支援の意味  近藤直子
 2 「自分の思いを伝える」ことへの挑戦
           宮城県仙台市・加々見ちづ子
  コラム1・子どもたちは外あそびが大好き
           大阪府岸和田市・冨永純子

第2章  父母と家族に笑顔をひろげて 家族支援の取り組み
 1 子育て支援が始まるとき
           宮崎県都城市・六ヶ所美砂
 2 父母と家族に笑顔をひろげて
           宮崎県都城市・豊留かく子
  コラム2・お父さんも一緒に
           愛知県名古屋市・加藤淳

第3章 仲間とともに笑顔をひろげて
    保健師・保育所・学校との連携
           鹿児島県奄美市・大山周子
  コラム3・広域支援の重要性と今後の方向性
           和歌山県・谷直城

第4章  地域に笑顔をひろげて 地域システムづくり
 1 歴史と今後の動向  加藤淳
 2 各地の取り組み
   北海道の療育システムと実践例について
           北海道・水口克幸
    コラム4・秋田県における乳幼児療育の現状と課題
           秋田県・伊藤清貴
   滋賀県の障害児支援の現状
           滋賀県・深田みどり
    コラム5・あたりまえの子育てに近づきたい!
           愛媛県・山先光浩
   義務療育│すべての子どもに発達保障を!
           鹿児島県伊佐市・中馬節郎
    コラム6・心身の発達につまずきをもつ親子の砦として
           山梨県・中山富喜子
   わかくさ学園の取り組み
           東京都東久留米市・吉田文子
おわりに――どこに生まれても無償で療育の保障を
       近藤直子

はじめに

 全国どの街にも発達支援のための児童デイサービスができることを願って『あなたの街にも発達支援の場を―笑顔の子育て「児童デイサービス」』を出版して、四年が経ちました。
 この間、この本を携えながら、「児童のことは障害者自立支援法ではなく、児童福祉法で」「どんな小さな町でも通える場と運営ができる政策を」など、多くの思いや願いを関係機関に伝えてきましたが、乳幼児期の子どもや親御さんにとって、使い勝手の良い「児童デイサービス」には至りませんでした。
 それでも、「児童デイサービス」が、障害のある子どもたちだけのものではなく、診断がなくても育てにくさを感じたり、不安を持ったりする段階から利用できる場所であり、市町村の保健師さんたちや福祉行政の人たちと密接に関わりながら運営されている場所で、そして、小さな町や身近なところにもある、長い歴史を持つ事業であることを知っていただく役割を果たしたようでした。
 四年の間には、障害者自立支援法の小さな見直しがあり、障害児の問題は障害者自立支援法の枠組みではなく児童福祉法で施策を整えようとする動きが見えたりはしたものの、「政権交代」があり、ますます乳幼児期の子どもをとりまく施策が見えづらくなってきています。
 現在、新政権の障がい者制度改革推進会議でこれからの「障がい者総合福祉法(仮称)」のあり方などが検討されていますが、子どもの問題に割かれている時間は少なく、しかも誕生してから大人になりゆく大事な子どもの時代を、子どもとしてではなく、小さな障害者として扱おうとしているのが見え隠れします。
 小さい子どもたちの問題にはなかなか光があたりません。
 そこで、再び、全国の児童デイサービスで取り組まれている乳幼児期の発達支援、療育の意味を多くの人たちに伝えたいと、本書を出版することにしました。
 「児童デイサービス」には、T型とU型がありますが、主にT型で乳幼児期の子どもたちの療育を行っている仲間たちが、日々の実践をまとめました。
 「発達支援の取り組み」「家族支援の取り組み」「保健師・保育所・学校との連携」「地域システムづくり」など、日本は、やはり広く、さまざまな文化と地域の状況の中で、障害のある子どもや子育て支援の取り組みが営まれています。
 本書の中に、ヒントになる実践もあるかもしれません。そして、子どもは障害児として誕生するのではなく、すべて、子どもとして誕生することを多くの方々に知っていただく機会にもなるのではと思っています。
 すべての子どもが、子どもとして守られ、育てられる社会になるために、子どもの権利条約や児童福祉法に基づいた施策が図られることを願っています。

  二〇一〇年七月

編著者を代表して 田村 智佐枝

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