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第1部●高齢者介護のコツ・実践編
食に関する工夫/清潔のケア/排泄のケア/着装の工夫/移動・移乗の介護/住環境の整備/アクティビティケア/認知症ケア/安心して暮らせる環境づくり
第2部●介護の基礎知識
介護の基本となるもの/介護に必要な医療知識/介護にいかす医療知識/介護を支える社会
第3部●暮らしと生きがい・生活文化
当事者の立場から/生きがい支援と生活文化/高齢者介護の現状と課題/高齢期の安全な暮らし
●コラム/8項目
執筆者一覧(五十音順)
生田由加利
(岡山大学大学院保健学研究科看護学分野)
石井詩都夫
(北海道情報大学)
石倉 康次
(立命館大学産業社会学部)
石黒 望
(医療法人恒仁会近江温泉病院総合リハビリテーションセンター)
石田 京子
(大阪健康福祉短期大学介護福祉学科)
今岡 康人
(神戸医療福祉専門学校三田校言語聴覚士科)
上村 栄一
(元京都府立高等学校)
小椋 芳子
(大阪健康福祉短期大学)
小田 史
(大阪健康福祉短期大学介護福祉学科)
越智 淳子
(佛教大学保健医療技術学部理学療法学科)
桂 良太郎
(立命館大学国際関係学部)
倉田 正
(くらた医院、吉祥院病院)
鴻上 圭太
(大阪健康福祉短期大学介護福祉学科)
河野 勝行
(大阪府教育委員会)
近藤 智子
(えがおケアセンター)
酒井 英志
(財団法人近江兄弟社ヴォーリズ記念病院リハビリテーション科)
七里 展子
(藍野大学医療保健学部作業療法学科)
柴田奈緒美
(大津市役所)
渋谷 光美
(東北文化学園大学医療福祉学部)
関山 美子
(船橋市北部在宅介護支援センター)
高見 国生
(社団法人認知症の人と家族の会)
谷 勇男
(播磨中央福祉専門学院)
谷田 惣亮
(佛教大学保健医療技術実習センター)
津止 正敏
(立命館大学産業社会学部)
水流添 真
(大阪国際福祉専門学校)
野田 隆生
(華頂短期大学社会福祉学科)
野中 理子
(京都福祉サービス協会深草センターほっこり、華頂短期大学)
橋本 顕寛
(羽衣国際大学)
藤川 孝満
(佛教大学保健医療技術学部)
藤原 和美
(関西福祉科学大学健康福祉学部健康科学科)
前田 崇博
(大阪城南女子短期大学人間福祉学科学科)
増本千佐子
(大津市介護家族・要介護者を支える会)
編者(五十音順)
石田一紀(いしだ・かずき)
京都女子大学家政学部生活福祉学科教授。専攻は介護福祉論。介護過程の体系化と地域の介護力を創造していくための実証的研究を行っている。著書に『介護における自立援助』(クリエイツかもがわ、2006年)、『認知症の人を在宅でいかに支えるか』(同、2009年)他多数
垰田和史(たおだ・かずし)
滋賀医科大学社会医学講座衛生学部門准教授。医学博士。著書:「DVDと解説で学ぶ健康快復体操 ヒューマンサービス労働と健康」(文理閣 2008年)、「腰痛・頸肩腕障害の治療・予防」(かもがわ出版、2008年)、「介護する人の健康をまもるQ&A」(ミネルヴァ書房、 2005年)「介護職の健康管理」(ミネルヴァ書房、2003年)他
藤本文朗(ふじもと・ぶんろう)
1935年生まれ。滋賀大学名誉教授。博士(教育学)。著書『障害児の義務制に関する教育臨床的研究』(多賀出版、1989年)、『障害児の発達と教育環境』(青木書店、1982年)、共編著『キーワードブック障害児教育・増補改訂版』(クリエイツかもがわ、2009年)、『ベト・ドクが教えてくれたもの』(同、2009年)他多数
松田美智子(まつだ・みちこ)
羽衣国際大学人間生活学部教授。共編著「介護総合演習ハンドブック」(久美出版、2010年)、共編著「やさしく学ぶ介護の知識@人間と社会」(久美出版、2009年)、共著「やさしく学ぶ介護の知識A介護」」(久美出版、2009年)、共著「介護福祉士国家試験問題と対策2009」(一橋出版、2008年)、共著「学べばわかる介護福祉」(八千代出版、2008年)、共編著「入門 介護技術」(久美出版、2008年)他
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まえがき
この本づくりにあたって、私事ながら一筆啓上します。
私は現在75歳の後期高齢者です。滋賀大学定年1年前の64歳の時、大学で講義中に第1回目の脳梗塞を発症しました。73歳の時には、1年間で3回の脳梗塞の発作を経験しました。いずれの発作も幸いなことに、発作から数分で医療機関にかかることができ、約1週間の入院・内科的な治療によって大きな後遺症を残すこともなく退院できました。今、現在もまずまず健康的に過ごしています。
しかしながら、70歳からの3年間はうつ病を患いながら、当時勤務していた健康福祉短期大学介護福祉科の学科長を務めました。73歳で短期大学の職を辞し、退職後の今日は研究生活をエンジョイしています。少し活動的過ぎるきらいがあり、研究者仲間からは「今度は躁病になったのではないか?」と疑われながらも、温かく接してくれる彼らには感謝しています。自分でも、老人力フルパワーを自認している今日この頃です。
この本を出版するきっかけは、私自身が食べ物を誤嚥しかけた時に、掃除機を活用して事なきを得たという話を、クリエイツかもがわの編集者にしたことからです。私自身の体験から、世の中に介護に関する本はたくさん出版されているが、本当に困った時に役に立つのだろうか?という話の展開になりました。
そこで、この道のベテランの小椋芳子先生・松田美智子先生のお二人に声をかけ、私と三人で研究会を立ち上げました。この本の執筆に参加してくださった方をはじめ研究会メンバーは20名を超えました。併行して、研究会で持ち寄った研究者の知見や議論の成果をまとめ、介護する人・される人双方の当事者にとって本当に役に立つ介護の本づくりを行なってきました。
垰田和史先生は医学・人間工学の立場から研究会に参加され、「真面目な介護労働者ほど、今の介護現場では身体を壊す。介護機器を上手に駆使し、人力で人を持ち上げないノーリフティングポリシーが国際的な動向である」「介護する人の基本的人権の保障(とりわけ労働条件)なしに、介護の基本は成り立たない」と話され、その根拠や理論について具体的に教授されました。私自身、日本の介護現場の後進性に驚くとともに、新しい介護理論に感動を覚えました。
また、介護福祉分野の日本の先駆的研究者である石田一紀先生は、この本の理論的構造化に貢献されました。その他の研究会メンバーからも数々のアドバイスをいただき、日本の介護が一歩でも前進し、皆が安心して老いることが可能な社会の構築をめざし、編集に活かした共有認識を以下に記します。
@実践編ではわかりやすくをモットーに、日常の介護に本当に役立つ知識を掲載する。一般の人や介護を学ぶ学生にも理解できるものでありながらも、単なる入門書に留まらず介護の理論や哲学に裏付けられたアカデミックな内容となるように留意する。
A日本の介護の現状は、その担い手のおよそ8割は家族を代表とする親族に頼り委ねられている。介護保険が施行され10年が経過したが、標榜されている介護の社会化は未だ充分には進んでいないこと、さらに介護をする人々の人権の保障なしに、介護は成り立たないことを共通認識とする。
B欧米の先進的な優れた介護から学ぶ必要性はおおいに自認するが、日本で活用する際には、日本の歴史・文化・習慣・社会状況を充分に勘案して、独自の日本の介護を追究・創造していくべきである。また、アジア圏に共通する文化・風土についても検証する。
C「介護」という用語・概念の考察については歴史が浅く、科学的概念やその専門性については、未だ充分な議論が果たされていない。さしずめその多様性を認めることから出発せねばならない。
D「高齢化は20世紀人類の最も偉大な勝利の一つ」(国連世界会議2002年)と言われているが、これは日本の平和憲法があって実現したことである。高齢化は、戦争のない平和な社会があってはじめて実現可能であることを忘れない。
二〇一〇年三月
藤本 文朗
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