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監修にあたって
はじめに
第1章 思想・基本理念・概念
1 手話と手話通訳の起源
2 手話通訳者への期待
3 手話通訳論の形成
4 手話通訳の理念
5 手話通訳の概念
6 手話通訳の過程T─狭義の手話通訳過程
7 手話通訳の過程U─手話通訳実践過程
8 手話通訳実践で求められる力
9 手話通訳を利用する権利
10 手話通訳者の権利
研究ノート 通訳研究と手話通訳研究
第2章 手話通訳論
1 手話通訳の理論
2 手話通訳の制度論
3 手話通訳の方法論
4 手話通訳の対象論@─対象者
5 手話通訳の対象論A─場面・内容
6 手話通訳の技術論@
─狭義の通訳技術〈翻訳技術〉
7 手話通訳の技術論A
─狭義の通訳技術〈表現技術〉
8 手話通訳の技術論B
─実践技術〈価値・倫理に基づく実践〉
9 手話通訳の技術論C
─実践技術〈実践のための知識と技術〉
10 手話通訳の専門性・手話通訳者の専門職性
11 専門職としての手話通訳者の現状と課題@
─ 1980 年代まで
12 専門職としての手話通訳者の現状と課題A
─ 1990 年以降
研究ノート 諸外国の手話通訳者の専門職化のあゆみ
第3章 手話通訳者の業務
1 手話通訳労働について
2 手話通訳者の業務@─雇用された手話通訳者
3 手話通訳者の業務A─登録された手話通訳者
4 手話通訳派遣業務
5 手話通訳業務を進めるために必要な知識・技術
6 手話通訳者の健康問題と健康管理
研究ノート 手話通訳作業のメカニズムと疲労
第4章 手話通訳者の教育・養成
1 手話通訳者の養成制度・教育の現状@
─手話奉仕員の養成
2 手話通訳者の養成制度・教育の現状A
─手話通訳者の養成
3 手話通訳者の養成制度・教育の現状B
─手話通訳士制度と養成課題
4 手話通訳者の養成制度・教育の現状C
─高等教育機関等での手話通訳者教育の現状と課題
5 手話通訳者教育の理念と目標
6 手話通訳者教育の理論
7 手話通訳トレーニングの方法
8 手話通訳者教育の形態
9 手話通訳士試験
10 手話通訳者試験・統一試験
11 手話通訳者教育における教授法の検討
─教育の目標・内容・方法・評価について
第5章 手話通訳制度と手話通訳の実際
1 手話通訳制度の歩みと現状@
2 手話通訳制度の歩みと現状A
3 手話通訳者の現状@─雇用された手話通訳者
4 手話通訳者の現状A─登録された手話通訳者
5 生活領域・社会参加領域での手話通訳@
6 生活領域・社会参加領域での手話通訳A
7 医療・保健領域の手話通訳
8 労働領域の手話通訳
9 教育領域の手話通訳
10 政見放送の手話通訳
11 司法領域の手話通訳
研究ノート 手話通訳者に求められる対人援助技術
第6章 手話通訳運動
1 手話通訳運動のあゆみと意義
2 全日本ろうあ連盟の手話通訳運動
3 全国手話通訳問題研究会の手話通訳運動
4 日本手話通訳士協会の手話通訳運動
5 手話通訳事業・手話通訳者教育研修を行う
その他の団体
6 世界手話通訳者協会(WASLI)
研究ノート 『聴覚障害者のコミュニケーション
支援の現状把握及び再構築検討
事業平成17 年度報告書』にみる手話
通訳事業の発展への方向づけ
参考文献一覧
あとがき
索引
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はじめに
1968 年、第1回全国手話通訳者会議において全国の手話通訳者が集い、手話通訳論が論じられました。以来、今日まで手話通訳に関する研究は、全日本ろうあ連盟、全国手話通訳問題研究会(全国手話通訳者会議が発展)、すこし遅れて日本手話通訳士協会を中心にして行われ蓄積されてきました。日本における手話通訳に関する研究は、手話通訳を担う人たち、手話通訳を利用する人たちの共同作業で行われてきたと言えます。
それぞれの団体が、その時代、その時々の課題をとらえて、手話通訳に関する政策・制度研究や理論研究、教育方法などの研究・調査を行い、数多くの論文や報告書、書籍を発表してきました。これらの研究成果は、日本の手話通訳制度の発展や手話通訳者教育の発展に寄与してきたことは言うまでもありません。しかし、他方で手話通訳者・手話通訳士の社会的位置づけや認知の低さ、待遇の問題、手話通訳需要に応える手話通訳者・手話通訳士の確保など、課題も山積しています。
手話通訳を学ぼうとする人々、手話通訳を業務としている人々は、手話通訳に関する歴史や理論、手話通訳者としての業務や倫理の内容、手話通訳教育内容や教育方法、現状と課題について学び、理解しておくことが必要です。しかし、上記3団体がこれまで出してきた文献や出版物一つ一つを手にとり学習することは、手話通訳業務に従事する人々や手話通訳を学習する人々にとって、限られた時間の中で困難なことだと思います。
本書は、40 余年にわたる手話通訳研究の研究成果と現状・課題を、体系的にかつ簡潔に整理しています。本書により手話通訳者・手話通訳士として業務に従事し実践している人々は、自分のこれまでの学習や知識を再確認することとあわせて、実践検証の材料として活用することができるでしょう。手話通訳について学ぼうとする人々あるいは学習中の人々、手話通訳に関心を持つ人々は、本書を通じて体系的に手話通訳がどういうものなのかを学ぶことができるでしょう。
本書には『手話通訳を学ぶ人の「手話通訳学」入門』という名前を付けました。日本において「手話通訳学」の名前の付く書籍は今までありませんでした。書籍が無いから「手話通訳学」は存在しないわけではありません。上述したように多数の手話通訳研究があり、研究成果があります。ただ、学問的にそれらを整理する作業が行われてこなかったという事情があります。本書では「簡潔に整理する」というところに重点があるために、記述が不十分なところもあります。そのように感じたときには、参考文献を示してありますのでぜひ原典から学んでいただきたいと思います。また、本書をきっかけにして、今後手話通訳研究が広がり、「手話通訳学」を書名とする書籍が数多く出されていくことを願っています。
2010 年2月
林 智樹
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