あたし研究
 自閉症スペクトラム〜小道モコの場合


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あたし研究

©小道モコ 絵・文
定価 1890円(本体価格 1800円)
ISBN978-4-86342-033-5 C0037

 

●知れば知るほど私の世界はおもしろいし、理解と工夫ヒトツでのびのびと自分らしく歩いていける!

●自閉症スペクトラムの当事者が『ありのままにその人らしく生きられる』社会を願って語りだす―

 

●もくじ  

はじめに
読者へのメッセージ
自閉症スペクトラムとは

感覚編
 1.あくまでも私のイメージ

言葉編
 2.慣用句に弱いワケ
 3.ちょっと 待ってて

視覚編
 4.方向感覚
 5.見えないモノはないもの!?
 6.ならべる
 7.あこがれの優先席

身体編
 8.体の把握
 9.服との格闘
 10.マニュアル操作

学校編
 11.学校はJungleのようでした
 12.いじめって何?
 13.私を救ったにゃんころりん

これからのあたし編
 14.自分という器
 15.特訓の成果

おわりに
『くれよん』紹介

読者へのメッセージ

 まずは、この本を手にとっていただいたことに感謝します。

 この本は、タイトル『あたし研究』のとおり、あくまでも私個人の経験や体験をふまえ、イラスト化、文章化したものです。ですので、自閉症スペクトラム(以下、ASD)の人みんなに当てはまることではありません。
 でも、なるべく多くの人たちにASDについて、理解してほしい、という気持ちで、描き/書きました。

 私は、4年前にASDとの診断を受けました。
 それまでの私の人生は、不安と孤独に満ちたもので、「自分はいてもいい存在」だと思えずにいました。
 診断を受けてまもなく、友人が始めた発達障害を考える会『くれよん』で、お話をする機会を得ました。その時は、何をどう話したらいいのか、皆目見当がつきませんでしたが、毎月お話をしていくうちに、次第に自分を発見していくことができました。イラストを描くことで、また、お話しをすることで、私は少しずつ、自分のASDを受け入れ始めたんだと思います。
 『くれよん』がなかったら、私はいまだに、混沌とした嵐の中を一人さまよっていたかもしれません。
 今回、出版にあたって載せたイラストのほとんどは『くれよん』の資料として参加者に提供したものです。

 私の幼少期は、毎日が冒険でした。意味がわからないまま、いろいろなことが起こり、いろいろなことに対応しなければならず、文字どおり「目が回る」ような日々でした。その頃はそれを、ツライなどとは思っていませんでした。他の人々もみんなそんな風に過ごしているのだろう…と漠然と思っていたからです。でも、「なんだか、私はウマクやっていけていないゾ…」という不安は常にありました。一言で言えば、私は「さみしかった」です。
 
 私の願いは、一人でも多くの方々にASDについて理解していただき、これから将来を歩む子どもたちが、のびのびと自分の翼を広げて、成長していってほしいということです。私は、自分がASDと知るまで、ずっと自分の翼を隠して生きてきました。隠さないと生きてこれなかったからです。でも、翼を折って、隠して、生きていくのは、とてもシンドイことです。
 私はいつの時点で(何歳の時に)、「翼を隠そう」と思ったのか、今では思い出すことはできません。でも、「みんなと少しチガウ自分」を、受け入れてもらうことが難しかったから、「自分の翼を隠す」ことを覚えたのだと思います。
 
 隠し続けた年数分だけ、ツライ思いをしました。

 でも、30歳を過ぎた時に診断を受け、隠していたことも忘れていた自分の翼に気づき、怖々、少しずつ広げてみたら…「アレ?あたし、空を飛べるかも!」と思えてしまうほどの自由を感じました。知れば知るほど、私の世界はおもしろいし、理解と工夫ヒトツで、伸び伸びと自分らしく歩いていける。
 オトナの私がこのような経験をできるのだから、理解ある人々の中で、子どもたちが成長する(翼をのびのびと広げて生活する)ことができるなら、どんなにスゴイことになるだろう…と私は想像します。スゴイというのは、別に偉くなるとか、有名になるという意味ではなく、その子らしく生きられる、ステキな世界が待っている、ということです。幸せって、「ありのままにその人らしく生きられる」ことだと私は思っているんです。

 子どもたちの翼が、折れないことを。
 翼を隠す必要などない、と自分で自分を肯定できることを。
 私は願っています。

小道モコ

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