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障害児教育 ―特別支援教育時代の基礎知識
[改訂増補版]


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キーワードブック 障害児教育[改訂増補版]

編集代表/ 清水貞夫・藤本文朗
編集委員/ 青木道忠・荒木穂積・黒田学・津田充幸・向井啓二
定価 2940円(本体価格 2800円)
ISBN978-4-86342-020-5 C0037

●特別支援学校学習指導要領(2009年3月告示)に準拠・改訂増補版!

 教育基本法改定(2006年)、学校教育法改訂(2007年)、そして、特別支援学校学習指導要領の告示など、障害児教育を取り巻く法的枠組みの変化に対応して全面的に見直し、新項目の追加、資料やデータを新しく、索引も掲載して全体を一新!

■改訂版の特徴
 ・新項目…12項目増
  国連・障害者権利条約の成立と教育条項、個別の就学支援計画、個別の
  移行支援計画、幼児期の特別支援教育、高等学校の特別支援教育、発達
  障害と非行、など。
 ・第2章 障害児の教育課程と方法…大幅に構成を再編(4節→6節)
 ・さくいんの掲載で、検索しやすく深く学べる!
 ・30頁増で定価据え置き!

●障害児教育・特別支援教育が総合的に理解できる
 ――発達保障の立場から編集
●問題点や論点を整理――特別支援教育の実践に役立つ!
●現場の教職員の座右の書、教員をめざす人の必読書・テキストとして最適!
●全125項目・1項目見開き2頁でわかりやすく説明

●もくじ  

発刊にあたって
本書の使い方

第1章 障害児教育の動向と改革

■国際動向
1-001 ノーマライゼーション
1-002 インクルージョンとインクルーシブ教育
1-003 サラマンカ宣言
1-004 特別なニーズ教育
1-005 ウォーノック報告
1-006 子どもの権利条約と障害児
1-007 国連・障害者の機会均等化に関する基準規則
1-008 国際障害分類と国際生活機能分類
1-009 国連・障害者権利条約の成立と教育条項

■特別支援教育への改革
1-010 特殊教育、障害児教育、特別支援教育
1-011 「特殊(諸)学校」から特別支援学校へ
1-012 地域の特別支援教育のセンター的機能
1-013 「特殊学級」から特別支援学級へ
1-014 通級による指導と通級指導教室
1-015 特別支援教育コーディネーター
1-016 学校ぐるみの特別支援教育と校内委員会
1-017 障害児学級での特別支援教育
1-018 個別の教育支援計画
1-019 教育・発達相談と支援体制
1-020 個別の就学支援計画
1-021 個別の移行支援計画
1-022 新しい就学基準と就学援助
1-023 認定就学者と教育保障
1-024 二重在籍(二重登録)
1-025 幼児期の特別支援教育
1-026 高等学校での特別支援教育
コラム●障害者プランと発達障害者支援法

第2章 障害児の教育課程と方法

■教育課程の編成
2-027 障害児のための教育課程
2-028 学習指導要領と障害児教育
2-029 教育課程の自主編成
2-030 教育課程の構造、教科指導と教科外指導

■教育内容
2-031 教科指導
2-032 生活単元学習
2-033 日常生活の指導
2-034 遊びの指導
2-035 作業学習
2-036 自立活動
2-037 総合的な学習の時間
2-038 学校行事
2-039 共同教育・交流教育、障害理解学習
2-040 進路学習・進路指導
2-041 進路・労働・福祉との連携

■集団編成
2-042 集団編成と集団のもつ教育的価値
2-043 全校集団と学部集団
2-044 生活集団と学習集団
2-045 日課表の作成、活動の流れと集団編成
2-046 指導者集団づくり
2-047 指導者体制

■授業づくり
2-048 授業と授業づくりの視点
2-049 障害児教育における教材・教具
2-050 授業研究
2-051 指導案づくり
2-052 評価と記録
2-053 個別の指導計画

■指導の方法
2-054 AACとコンピュータの利用
2-055 聴覚障害児の自立活動
2-056 視覚障害児の自立活動
2-057 肢体不自由児の機能訓練
2-058 肢体不自由児の指導技法
2-059 障害児教育の指導技法
2-060 TEACCHプログラム
2-061 ソーシャルスキル

■教育指導にかかわる諸問題
2-062 生活教育と障害児教育
    生活綴り方と障害児教育
2-063 教育と医療の連携
2-064 医療的ケア
2-065 保護者との連携
2-066 「問題行動」の指導
コラム●未来の先生へ

第3章 障害児教育の原理と制度

■障害と発達の基礎概念
3-067 発達保障論とパラダイム転換
3-068 障害と人間発達
3-069 障害者観と自立
3-070 能力観とメリトクラシー
3-071 発達可能性と教育
3-072 発達と発達権

■障害種別と教育制度
3-073 特別支援学校と聴覚障害教育
3-074 盲学校と視覚障害教育
3-075 障害児学級と学級編制
3-076 訪問教育とホーム・スクーリング
3-077 寄宿舎での生活教育
3-078 障害児学校と地域づくり
3-079 学校選択権

■障害への配慮と発達支援
3-080 知能検査
3-081 ウェクスラー式知能検査
    (WPPSI、WISC、WAIS)
3-082 カウフマン式検査(K-ABC)
3-083 発達検査
3-084 発達診断
3-085 発達相談
3-086 知的障害
3-087 ダウン症
3-088 学習障害
3-089 ADHD
3-090 アスペルガー症候群
3-091 広汎性発達障害
3-092 自閉症
3-093 てんかん
3-094 弱視
3-095 難聴
3-096 病弱
3-097 重症心身障害児(重症児)

■教育制度と条件整備
3-098 教職員定数と学級編制基準
3-099 特別支援学校の適正規模と適正配置
3-100 障害児教育の専門性と教員養成
3-101 欧米の障害児教育制度
3-102 アジア太平洋障害者10年とアジアの障害児教育
コラム●絵本・児童文学に描かれた障害児

第4章 ライフステージと教育

■就学前から就学・青年期教育
4-103 早期発見・早期対応
4-104 障害児保育・療育
4-105 障害児者の教育相談
4-106 障害児の後期中等教育保障
4-107 高等部専攻科
4-108 高等教育と障害者

■人生を見通して
4-109 障害児の放課後保障
4-110 障害児と学童保育
4-111 青年学級、生涯学習
4-112 障害者と労働
4-113 ADLとQOL
4-114 発達障害と非行
4-115 障害児・者の性と生
4-116 中年・高齢期の障害者問題
コラム●特別支援教育時代の映画

第5章 障害児教育の歴史

■障害児教育の萌芽と進展
5-117 明治期の障害児教育
5-118 障害児教育につくした人々(その1)
5-119 障害児教育につくした人々(その2)
5-120 大正期の障害児教育
5-121 戦時下の障害児教育

■民主教育の時代
5-122 戦後障害児教育の発足
5-123 障害児教育につくした人々(その3)
5-124 障害者団体・親の会・きょうだいの会
5-125 養護学校教育の義務制実施
コラム●義務教育の構造改革から教育基本法改訂
コラム●「障害者自立支援法」の問題性と抜本的見直しの必要性
コラム●平和教育―ベトさんとドクさんの発達を通して
コラム●障害児者が主権者として発達する教育

資料●日本障害児教育史年表
索引
執筆者一覧

改訂版の発刊にあたって

 21世紀に入り、日本の障害児教育および障害者福祉は、新自由主義的「構造改革」の影響を受けつつ、大きな転換と改革の時期を迎えています。障害児教育は「特殊教育」から「特別支援教育」へと転換し、障害者福祉分野では「措置制度」から「支援費制度」、さらには「自立支援制度」への転換がはかられてきました。
 この一連の改革は、評価すべき部分をもちながらも、現実の障害児教育や障害者福祉の矛盾をいっそう拡大するものとなっています。また、このような改革と矛盾のもとで、学問的に蓄積されてきた基本的概念や原理、地道に積み重ねられてきた実践の到達点があいまいにされる傾向にあります。
 とりわけ、障害児教育の分野では特別支援教育が叫ばれながら、必要な人的配置を行わない中で、特別支援学校(盲・聾・養護学校)のセンター的機能の付与や、障害児学級の通級指導教室化を意味する「特別支援教室」などが進行しています。見逃すことができないのは、これらが単なる「障害児教育のリストラ」にとどまらず、障害のある子どもたちの教育の個別化・訓練化の傾向を強めながら進められようとしていることです。すなわち、特別支援教育が強調する「一人一人のニーズに対応」した教育は、子ども一人ひとりの全人格的発達を保障するものでなく、子どもを一人ひとりバラバラにしてしまう方向を強めます。同時に、特別支援教育の「ニーズ」は、権利にうらづけられていないため地域間格差と学校間格差を拡大するといえます。これは、子どもたちの健やかな成長・発達とそれを願う保護者や教職員の願いと、深いところで矛盾を強めるものとなることは明白です。
 そのような矛盾に対して、障害のあるすべての子どもたちの発達保障に向けて、理論的、実践的な提示が、また、2008年に発効した国連・障害者権利条約に見られるように、障害者を主権者として、社会に位置づけることが重要になっています。学問研究の蓄積や実践の到達点を無視したままで21世紀の豊かな社会発展を考えることはできません。今こそ障害児教育や障害者問題の基礎的概念と基本をしっかりと押さえながら、障害者権利条約で明記された「合理的配慮(reasonable accommodation)」含めて、問題点や論点を整理しつつ、今後の方向を明示することが必要な時期であると考えます。
 本書は2005年に発行し、関係者に好評で版を重ねてきましたが、教育基本法改訂(2006年)、学校教育法改訂(2007年)、特別支援学校学習指導要領告示(2009年)など、障害児教育を取り巻く法的枠組が変わっただけでなく、資料やデータが最新でなくなったこともあり、今回、改訂版を発刊することとしました。改訂版においては、資料やデータを新しくしただけでなく、項目の見直しと書き直しを行うとともに新規項目を追加し、全体を一新しました。改訂版編集の過程で、書名変更も話題になりましたが、私たちは、時流に流されることなく、「21世紀の障害児教育を切り拓く学問的蓄積の基礎・基本を整理し座右の書となることをめざす」という旧版編集時の思いにかわりがないことを確認し、旧版と同じ書名を引き続き採用することとしました。障害のあるみなさんをはじめ、障害児教育を学習する学生、日々の教育実践に取り組む先生方、障害のある子どもたちと共に歩む市民、各種団体のみなさん、各種施策の前進に取り組む行政関係者に広く読まれ、活用されることを願っています。

 

2009年3月         
編集委員会を代表して   
清水貞夫・藤本文朗

 

■編集代表

清水貞夫(しみず さだお)
1940年生まれ。みやぎ教育文化研究センター。宮城教育大学名誉教授。著書『必携・特別支援教育コーディネーター』(クリエイツかもがわ、2007年)、『アメリカの軽度発達障害児教育』(同、2004年)、『特別支援教育と障害児教育』(同、2003年)、『障害児のための授業づくり』(全障研出版部、2000年)ほか多数

藤本文朗(ふじもと ぶんろう)
1935年生まれ。滋賀大学名誉教授。博士(教育学)。著書『障害児の義務制に関する教育臨床的研究』(多賀出版、1989年)、『障害児の発達と教育環境』(青木書店、1982年)、共編著『自閉性障害児者の発達と教育』(かもがわ出版、2000年)ほか多数

■編集委員

青木道忠(あpき みちただ)
1944年生まれ。大阪発達支援センターぽぽろ所長、子ども・若もの支援ネットワークおおさか事務局長。共編著『通常学校の障害児教育』(クリエイツかもがわ、2003年)、『ともに育つ学級・学校づくり』(かもがわ出版、1997年)

荒木穂積(あらき ほづみ)
1949年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。共編著『発達診断と障害児教育』(青木書店、1989年)、共著『自閉症児の発達と指導』(全障研出版部、2001年)。共訳『自閉症と遊び』(クリエイツかもがわ、2008年)

黒田 学(くろだ まなぶ)
1963年生まれ。滋賀大学教育学部准教授。著書『ベトナムの障害者と発達保障』(文理閣、2006年)、共編著『胎動するベトナムの教育と福祉』(同、2003年)、『障害児と家族のノーマライゼーション』(群青社、1999年)、『手づくりの国際理解教育』(クリエイツかもがわ、2008年)

津田充幸(つだ みつゆき)
1939年生まれ。兵庫障害者連絡協議会会長、元神戸大学附属特別支援学校副校長、著書『就学問題に悩む若いあなたへの手紙』(あずみの書房、1989年)、『まわり道をいとわないで』(クリエイツかもがわ、1999年)

向井啓二(むかい けいじ)
1954年生まれ。種智院大学人文学部准教授。共編著『胎動するベトナムの教育と福祉』(文理閣、2003年)、『日本社会福祉法制史年表』(永田文昌堂、1998年)、『手づくりの国際理解教育』(クリエイツかもがわ、2008年)

 

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