| 第1部 当事者が語る“わたし”
第1章 わたしの家庭生活奮戦記
1●家族四人ポジティブライフをめざして 満石理恵
個性豊かなわが家のメンバー
●アスペルガーと診断されたママ
●夫の「自閉症疑惑」事件
●「一緒にがんばろうよ」と長男にカミングアウト
●自閉症コンビの長男と私
●次男は得体の知れない定型人
●ある日のわが家の食事風景
私のあゆみ 学校・就職・結婚
●私をおおらかに育ててくれた母
●「お利口さん」だった私
●不登校になりかけた高校生時代
●毎日のお弁当に添えられた母の手紙
●有能? だった会社員時代
●「もしもし、タロウさんいらっしゃいますか?」
●レポーターに転職 夜は居酒屋でアルバイト
●結婚 泣いてばかりの花嫁
●私の「お助けマン」は母から義母へ
●どんどん複雑化するモード
●育児は想定通りにいかないもの
悪戦苦闘の主婦業と「それいゆ」のサポート
●めちゃくちゃだった私の家事
●「食事をする時間がもったいない」
●「遅寝早起き」はすばらしい?
●アイロンかけが苦手
●スーパーのタイムセールが怖い
●精神科のカウンセリングを受けたけど…
●「それいゆ」との出会い
●家族カウンセリング
●生活スケジュールの添削
●脳と身体の休息の指導
●変更スキルを身につける
●子育てについてのアドバイス
●私の社会性はあと付けオプション
●赤ちゃん言葉の修得
●魔法の言葉「あなたのこと、大好き!」
●支援前の夫婦喧嘩 大パニックの私
●フランス語口調でやさしくなだめる主人
●夫婦喧嘩は「それいゆ」の通訳を通して
●「それいゆ」からの具体的サポート
●私のお役立ちアイテム
支援を受けて変わった私の生活
●睡眠時間六時間をキープ
●主治医と「それいゆ」との連携
●自己認知をもとに想定力アップ
●義理陣営へのカミングアウト
●義母のあたたかい援助に感謝
●「夫婦円満ノート」
●私が初めて買ったプレゼント
それでも尽きない私の失敗談
●「完璧な見守り」事件
●「お世話なんかしていません」
●「主人は五キロも太ってしまって…」
●恐怖のMRI カミングアウトの重要性
●子どもの遊び 「場違い」の意味を知る
●親としてのポジションを習う
●ママ友だちの「お弁当対策会議」
●厄払いのために出産?
長い人生、ポジティブに生きていきたい
●支援とは、自力でがんばるためのヒント
●成人期には長いスパンでのライフサポートを
●公的支援を受けられないアスペルガー
●私だけでなく、家族のためにも
2●結婚生活で学んだとても大切なこと
私と定型夫のコミュニケーション術 風花さき
恋愛から結婚へ 「相手への思いやり」を学ぶ
●アスペルガー、AD/HDとしての遅いスタート
●障害の特性と二次障害
●初めての専業主婦
●夫は一緒にいて安心できる人
●黙っていては気持ちは通じない
●菜の花&雪山撮影事件
●急な予定変更はとても苦手
●「予定は必ず言うといてください」
●こたつ事件
●いつのまにトイレのスイッチが二つに
●「なおさんは魔法使い?」
●「なおさんも、やっぱり人間なんや」
●雪道心配事件
●私は大パニック 夫はふて寝
●夫から感謝することを学ぶ
●支援される側の心のフォローも
私のインターネット活用術
●ネットで友だちの輪が広がった
●ネット友だちは私の大事な情報源
●「それいゆ」ともネットで出会う
●「ウェブ日記」
●夫とのコミュニケーションツールでもある
快適生活を送るための私のちょっとした工夫
●騒音、金属音対策
●触覚(濡れたもの、まぶしさ、色、匂い)対策
●温度調整
●聴き取り対策
●片づけ関係
●物忘れ対策
●私だけの安心空間
第2章 異文化としてのアスペルガーと発達途上のわたし
1●「スルーできない脳」も使い方次第 余分な情報を
「入れない」対策 ニキ・リンコ
●講師紹介は苦手
●気になる新幹線の電光ニュース
●文字化けした「みやこ路快速京都行き」
●そもそも見なければよかった
●不完全な記憶は復元したくなる
●ロフトの黄色いショッピングバッグ
●フラッシュバックする髪飾りのピラピラ
●「エレベーターで人を追い越す?」
●黄緑色のクレヨンさん
●簡単にわからないものは気になる
●余分な情報を「入れない」対策が大事
●「今やらなくても…」ということに
火がつかないようにする
●BGMにする音楽は曲順かランダムか?
●入ってしまった情報を減らす
●買物はネットスーパーや生協で済ます
●上手な代行の頼み方
●要らないものを見ないために、本を読む
●「時間つぶしの時にはやめやすい本を読む」
●「しっかりひたる時間」と
「散らしながら使う時間」
●楽しすぎない暇つぶしを見つけないと
●脳を楽にさせすぎてもいけない
2●成長はゆっくり、でも、きっと大丈夫
「ガキ大人」にも見えてきた新たな世界 成澤達哉
●前回は大失敗
●幻想の世界に生きていた幼少期
●世界に対する視野の狭さ
●批判を「受け流す」ことができない
●自閉症に対する世間の誤解
●「ガキ大人」な私
●私たちと「似ている人たち」
●先天性の糖尿病もある
●内輪での摩擦
●タイプを超えて理解しあおう
●コリアタウン大阪・鶴橋
●外国人犯罪に対する偏見
●「KYと呼ばれてしまう世の中に絶望!」
●「ADK連合」の提案
●「貧乳はステータスだ」
●幻想もまた自閉症の独自の文化
●職場にカミングアウト 当事者活動にも参加
●「成長はゆっくり、でも、きっと大丈夫」
●「キズをのりこえてさらに、おおきくなってやるさ!」
3●自立した社会人になるためのアドバイス
「雇われて働く」ということ 榎木たけ子
●進路の選択肢はいくつもある
●望んだ進路が、自分に適しているとは限らない
●大学進学で問題が解決するわけではない
●大学に進学する目的は二つある
●あっという間に過ぎる大学の四年間
●大学に進学しない選択もある
●将来のいちばんの目的は「自活」
●学校は単なる通過点
●親の過大な期待は困りもの
●就職活動は大学受験よりもむずかしい
●「自分はできる」と思っていても…
●「雇われて働く」ということの意味
●お給料は労働に対する対価
●「好き」と仕事は別
●口は災いの元
●過干渉は子どもをダメにする
●目覚まし時計で自分で起きる
●きちんと食事をとる
●身だしなみ 金銭管理
●「思い込み」について
●相手の言うことをよく聞く
第2部 医師から見た自閉症スペクトラム援助の課題
1●早期発見と早期介入の重要性
ASDが疑われる幼少期の特徴について 畠中雄平
●背景
●自閉症スペクトラム(ASD)とは?
●自閉症の疫学
●ASDのとらえ方の変遷
●ASDの要因
●神経病理の知見
●ミニカラム説
●ASDと頭囲
●神経伝達物質その他の知見
●ミラーニューロンとASD
●認知心理学の知見から
●中枢性統合
●実行機能
●「生まれ落ちたときから」
●早期発見・早期療育
●ASDかも? 幼少期における行動面の特徴
●興味の限局とこだわり行動
●感覚や運動発達の面の特徴
●社会発達面での特徴
●なぜ「早期介入」なのか
アメリカ小児科学会の指摘
●「家族みんながハッピーじゃなきゃいけない」
2●ASD支援における薬物療法の役割と実際
どんな薬を使っているのか 瀬口康昌
●自閉症スペクトラム(ASD)とは?
●ASDの感情的側面
●二次障害
●ASDに対する支援とは
●ASDの薬物療法の意義
●薬物療法の基本方針
●処方の実際
●向精神薬の概要
●抗不安薬
●抗うつ薬
●抗精神病薬
●気分安定薬
●中枢神経刺激薬
●副作用について
●症状ごとの副作用の分類
|
はじめに
当事者のための当事者大会―オーティズム・リトリート・ジャパン
みなさん、第三回オーティズム・リトリート・ジャパンへようこそ!
この抄録は、二〇〇八年三月に行われた第三回オーティズム・リトリート・ジャパンの講演録として、当日参加した人たちには記録として、また、当日参加できなかった人にも情報が行き渡るようにと編纂しているものです。
第三回ともなると、聴講のみなさんの中にも当事者の方々が増えてきて、雰囲気もしだいに高まりを見せてきました。忍さん&ロザさんといった初回からの講師陣も聴講生として参加してくださっていて、大変心強く感じています。
今回の講師陣はこれまでもご登壇いただき、また、私の本にも登場してくださっている方々の中から、おなじみのニキ・リンコさん、成澤達也さん、榎木たけこさん、風花さきさんに、新たな自分研究や後日談と、新たな日常生活や周囲の人たちとうまくやっていく工夫について話していただきました。また、今回の抄録で活字デビューとなる満石理恵さんには、娘から妻、嫁と母、というモード変換の工夫や、定型夫との夫婦円満の秘訣、嫁として嫁ぎ先の親族との協調の工夫について、話していただきました。
今回も多くの学びと勇気を得ることのできた大会でした。
どれだけ多数の成人当事者の暮らしぶりを学んでも、どれだけうまくいっていそうにみえても、決して工夫と家族の理解や周囲の支援なくては生活の維持は困難であり、破綻への落とし穴は、どこにでも存在するということを思い知らされもし、また、当事者の方々が苦悩しつつも命の尊厳を輝かしながら生きている、その実情に触れる絶好の機会でもありました。
今回はまた、お二人の医師の方々に、自閉症研究の二〇〇八年現在の最新情報と薬物に関わる情報をお話いただきました。リタリンが処方されなくなったことから不安に陥った成人たちも多かったので、一度きちんと薬物に関わる情報提供もしておくべきとの判断からです。
第四回オーティズム・リトリート・ジャパンは、諸事情により、佐賀のアインシュタインクラブというASD青少年の本人活動に替え、非公開開催となりました。したがって、この抄録も第四集は刊行されません。小学一年から二〇歳までの青少年たちが集まり、過去三回の大会における学びの内容の中で、彼らの年齢で知っておくべき情報について絞って勉強会を開催しました。
第五回は二〇一〇年二月末〜三月初旬の土日に開催予定です。再び、『当事者のための当事者大会』という、当初の方針に沿った内容と講師陣にお集まりいただく予定です。ぜひ多くの方々のお運びをお待ちいたしております。
二〇〇九年三月
それいゆ相談センター 総合センター長 服巻 智子
■それいゆ相談センター
■□■□■□ 関連書籍 □■□■□■□■
・当事者が語る異文化としてのアスペルガー
自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド2
・自閉症スペクトラム 青年期・成人期のサクセスガイド
・発達障害といじめ
“いじめに立ち向かう”10の解決策
・いじめに立ち向かうワークブック
―考え方とどうすべきかを学ぶ
〈小学校高学年・中学生以上用〉
・いじめに立ち向かうワークブック
―考え方とどうすべきかを学ぶ
〈小学校低学年用〉
・発達障害と大学進学
―子どもたちの進学の夢をかなえる親のためのガイド
・お母さんと先生が書く ソーシャルストーリー™
―新しい判定基準とガイドライン
・ソーシャル・ストーリーブック
―書き方と文例
|