提言
 「こうあってほしい介護保険」


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提言・こうあってほしい介護保険

©社団法人 認知症の人と家族の会 編著
定価 1050円(本体価格 1000円)
ISBN978-4-86342-010-6 C0036

●認知症への関心と理解がかつてなくすすむ時代。一方、本人と家族の困難と苦労は続き暮らしそのものへの不安要素も増す複雑な時代―。
「家族の会」が公表した『提言』をめぐって介護保険、社会保障のこれからを考える。

●もくじ  

 提言・私たちが期待する介護保険
  〜認知症があっても安心して暮らせる
   社会に向けて〜
 緊急出版にあたって

第T部 提言「私たちが期待する介護保険」詳解

  はじめに
 基本的な考え方
 具体的な改善提案

第U部 緊急座談会「どうすれば提言は実現するか」

  なぜ「要望」ではなく「提言」なのか
 提言はどう受け止められたのか
 「何よりも命と暮らしが大事」というコンセンサスを

 資料

提言・私たちが期待する介護保険
 〜認知症があっても安心して暮らせる社会に向けて〜

はじめに

 認知症の人と家族の会は、一九八〇年の結成以来、認知症の人と家族が安心して暮らせる社会の実現を願って活動してきました。人としての尊厳が守られ、基本的人権が保障された生活を送ることは、乳幼児から高齢者まで、介護を要する人もそうでない人も、国民が共通に願うことです。その願いを実現するために、二〇〇九年の介護保険制度改定をひかえ、次のように提言します。

 基本的な考え方

1 認知症があっても一人暮らしでも希望する自宅で、また施設でも安心して暮らせる制度へ
 自宅や地域で暮らし続けたいと願う人が、見守られ、必要なサービスを受けられる在宅により重きを置いた制度に改定すること。施設にあっても、自宅と同じように過ごせ、一人ひとりが大切にされるケアと生活環境が保障されること

2 早期から終末期まで、切れ目ない支援体制を整備すること
 認知症の早期発見・診断、初期の相談・家族への支援から終末期のケア・看取りまで、医療、保健、福祉が緊密に連携して切れ目のない支援が行われる体制を確立すること

3 認知症があっても笑顔≠ナ生きられる支援体制を整備すること
 認知症の人や家族が地域・社会に受け入れられ、笑顔で暮らせるよう、仕事の継続や社会参加を支援する施策、市町村の実情にあった施策、地域の資源づくりなどを積極的にすすめること

4 介護に従事する人材の育成と確保のために待遇改善を図ること
 介護に従事する人材を育成、確保して介護の社会化を実現するために、介護従事者の生活が保障され、安心して仕事に取り組めるよう待遇改善を図ること

5 暮らしを支え、生活を保障する社会保障制度へ
 年金など自分の収入で生活が成り立ち、また介護保険サービスなど暮らしに必要なサービスが利用できる社会保障制度を確立すること

 具体的な改善提案

1 在宅で要介護4、5の人が支給限度額を超えて利用する場合は、全額自己負担ではなく介護給付を認める
2 必要な訪問介護の利用は同居家族の有無にかかわらず認める
3 認知症があると認められる場合には「要介護1」以上になる認定システムに改善する
4 若年期の認知症の人が仕事を続けられるよう支援する制度をつくり、採用する事業体へは補助金を支給する
5 若年期の認知症の人を受け入れる高齢者の通所介護にも加算を認める
6 地域包括支援センターは設置趣旨に則り、地域のコーディネート機関として充実させ、介護保険給付実務から外す
7 介護支援専門員が中立、公平を保つことができ、質を高め、専門性が発揮できる体制とする
8 介護従事者の賃金、労働条件の改善を図るために、必要な対策を講じる
9 介護保険給付による介護予防はやめ、別事業とする
10 受け皿の準備のないまま療養病床廃止を先行させることはしない
11 認知症の人の一般病院入院時に、ホームヘルパーの付き添いを認めるなど対応の改善を図る
12 地域の家族の会など当事者組織の活動への支援を強化する

(二〇〇七年一一月一日、厚生労働大臣に申し入れ)

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